18:14 2021年06月15日
経済
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日本人は「他人の足を引っ張る人が多く」、それが経済に悪影響を及ぼしている。大阪大学社会経済研究所の研究の結果を基に、経済評論家の加谷珪一氏は、ニューズウィーク日本版オフィシャルサイトでこのような結論を導き出した。その国の国民のメンタリティが、国全体の経済に影響に与えることなどあるのだろうか?そして日本人の性格はそんなに悪いのだろうか?経済社会分野の専門家らが、加谷珪一氏の結論に対し、コメントを寄せている。

加谷氏の記事の概要は次のようなものである。日本の経済が他の国に比べて成長できなくなっている主な理由は、製造業がグローバル化とIT化の波に乗り遅れ、国際競争力を失ったことである。しかし、豊かな消費市場が育っている先進国は、輸出競争力が低下しても国内消費で成長を継続できるケースが多い。実際、米国やイギリスは、製造業の衰退後も内需を原動力に高成長を続けている。日本では国内消費の低迷が続いており、これが低成長の元凶となっている。

また加谷氏は、国内消費の低迷の理由が消費増税が原因であるとの指摘を否定し、高い消費税率の欧州各国では経済が順調に成長していると指摘している。日本だけが消費を拡大できない理由は、長年、謎とされてきたが、経済学と脳科学を組み合わせた学問の発展による研究成果を引き合いに出し、日本では何か新たな技術やビジネスが誕生するたびに声高な批判が寄せられると指摘している。成功者は基本的に妬まれるので、自身の経験を積極的には他人に語らず、成功のロールモデルも共有しにくいが、また多くの日本人は「他人の足を引っ張る人が多く」、これでは消費経済が活発化するわけがないとの見解を示している。

この記事の見解について、「スプートニク」が取材した情報分析センター「アルパリ」の主任アナリスト、アンナ・ボドロワ氏は、「国内消費が拡大しない理由は謎などではなく、昔からはっきりしています」と指摘する。

東京スカイツリー周辺
© Sputnik / デニス・コルジョフ
「原因は収入の低下と消費者の不確実性です。世界的に、国内消費は家庭消費と呼ばれており、それはもちろん、メンタリティと結びついています。日本は長年、日用品やサービスの値段が毎年下がり、需要が低下し、商品の購入時期を遅らせるデフレからの脱却に向けた戦いを続けています。新型コロナウイルスの感染拡大による打撃は収入の低下をもたらし、人々の中に、デフレ期の習慣を植え付けました。電化製品から新居にいたるまで、商品の購入を控える状態が続けています。皆、もしかするとこの先、物価が下がる可能性があると考えているからです。積極的な消費は小売業と製造業に刺激を与え、経済成長を加速化させます。しかし、消費者はどうやら、今は出費するべきときではないとみなしているようで、これが消費者の不確実性というものなのです。しかも日本人は、子供の教育、起業、病気の治療、旅行など、別の目的のために節約し、貯金するという行動様式に慣れています。また国内消費の低下のもう一つの要因は、国民の高齢化です。高齢者はあまりお金を使いません。また出生率の低下により、人口も減少しています」。

一方、ロシアの社会学者、エヴゲニー・タタリンツェフ氏も記事の筆者には同意できないと述べている。タタリンツェフ氏は、日本は集団主義の民族であり、集団意識、互いへの忠誠、意見の一致が尊重されていると指摘する。「他人の成功は、それが学術であれ、ビジネスであれ、スポーツであれ、もちろん、すべての人に喜びをもたらすものではありません。しかし、どんな発見、発明、成果にも多くの人々が関わっています。それは、多くの人々がアイデアを出し合い、互いを支え、成功の喜びを分かち合うことであり、けして「足を引っ張り合う」ことではありません。日本に数多くの非営利団体が存在することは、人々が団結し、必ずしもお金では計れない社会の幸福を作り出すことができるということを証明しています」。

サイト、グローバル・エコノミーのデータによれば、2020年、日本の家庭消費は2019年に比べて減少(−3.33%)した。これは、カナダ、スウェーデン、スイスと同等の数字である。

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