11:43 2021年09月22日
経済
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20日から22日にかけ、ロシア・ウリヤノフスクで、「ヴォルガ川における日本の春・第4回国際フォーラム2021」が開催され、日本の童話劇、コスプレ、茶道、ファッションショー、ロシアにおける産業としての漫画やジャポニズム研究に関する講演など、あらゆるジャンルのイベントが開かれた。その枠内で、日露カンファレンス「ロシアにおける日本の投資~新トレンドと可能性~」がオンライン開催され、パンデミックで投資家の獲得競争が激しくなる中、ウリヤノフスクが日系企業にとってより魅力的な投資先となるには何が重要か、討議が行なわれた。

ウリヤノフスクは沿ヴォルガ連邦管区の交通の要所であり、自動車・航空機産業が盛んで、モスクワ、サンクトペテルブルグに次いで日本メーカーが進出している都市だ。ウリヤノフスクには石油やガスといった天然資源がなく、製造業が地域経済を牽引している。今後は、代替エネルギー分野を得意とする企業の誘致に注力し、持続発展可能なビジネスを目指す。

ウリヤノフスクには、ブリヂストン、DMG森精機といった日本の大手メーカーが進出済だ。中でも、ローカリゼーションの好例として知られるいすゞ自動車の現地子会社「いすゞRUS」は、年間約5000台のトラックを製造しており、事業運営は安定している。2020年には通算3万5千台目のトラックを製造した。今後は、ロシア市場で高評価を得ているCNG(圧縮天然ガス)トラックの浸透度を高め、天然ガススタンドなど、インフラ整備を更に進めていきたい考えだ。

カンファレンスで登壇したロシア工業団地協会日本・アジア太平洋地区担当顧問の大橋巌氏は、約30年前に初めてウリヤノフスクを訪れたときの印象を「こことやっていくのは無理だろうと思った」と率直に話した。ところが、2000年代に入ってからウリヤノフスクの自動車産業が発展。2010年代になってからは、州政府のサポート体制の充実や投資家を呼び込むための強力なチームの発足によって、短期間で更なる発展を遂げ、現在ではロシアで最も有望な地域のひとつとなった。

大橋氏は、「アジアの工業団地や経済特区は、海外からの投資を招くことを前提として作られ、工業団地間の競争も激しい。しかしロシアは、ウリヤノフスクに限らず、地域経済の発展が目的であるため、誰からの投資でもよいと考え、工業団地がロシア基準で作られている」と述べ、どういう投資家を招きたいか、ターゲットをはっきりさせることが大事だと指摘した。また、ウリヤノフスクが競争力を保ち続けるには、自分たちの利点をアピールするよりも、モスクワに進出済の日系企業の課題や悩みに耳を傾け、その解決を手伝うという姿勢が好ましいとアドバイスした。

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