実験では、新型コロナウイルスを60度近い温度で1時間加熱しても、いくつかの株はまだ増殖できることがわかった。この加熱条件は、ウイルスを不活性化させるための標準的な方法で、ウイルス感染症の患者の検体分析を行う多くの検査室で採用されている。しかし、新型コロナウイルスの場合は、ウイルスを15分間で92度まで加熱する方法で完全に不活性化できる。
この実験で研究グループは、ドイツの新型コロナウイルスの感染者から得たウイルス株をアフリカミドリザルの腎臓細胞に感染させたものを使用した。これらの細胞の一つに清潔な環境下のタンパク質をチューブで挿入し、クリーンな環境を作り出した。別の細胞には動物由来のタンパク質をチューブで挿入し、無菌状態ではなく本来の環境に近い状態を用意した。その2種類を標準的な方法で加熱したところ、クリーンな環境下のサンプルは完全に失活したが、そうでない環境下のものは、不活性化されていないものがいくつか残っていた。研究グループは、この標準的な方法は、ウイルスの量が少ないサンプルを不活性化するには十分かもしれないが、ウイルスの含有量が多いサンプルではこの条件では不十分かもしれないと推測している。
この論文の著者らは、新型コロナウイルスのサンプルを直接扱う医療従事者が感染する脅威を防ぐために、このウイルスを不活性化するための最適な方法を選択するよう促すべきだと指摘している。

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Sputnik / Savitskaya Kristina
経緯:新型肺炎はどのように流行するのか
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