02:42 2020年07月13日
新型コロナウイルス
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世界の国々は、感染拡大による地域のロックダウン(都市封鎖)を慎重に解除し始めている。脱却の方法にはこれが正解というものはなく、思考錯誤しながら進めるしかない。そのため結果もさまざまだ。各国がどのように自己隔離規制を解除しているか、また、社会的距離を保つためどの国がビニール人形を使い始めたかなどについてスプートニクは各国の様子や取り組みをご紹介します。

自己隔離解除の先進

欧州でまずはじめに規制を解除したのはオーストリアとチェコ共和国だった。オーストリアは4月14日から新型コロナ対策として実施した規制措置の段階的な解除を開始した。

5月1日からはすべての商社とサービス関連企業の活動が再開され、5月15日からは各種学校やレストランも許可された。また5月29日からはホテルが営業を開始する。その場合でも公共の場では1メートル以上の社会的距離を保つことが求められる。外国との航空機の乗り入れ禁止は5月22日で解除となった。

© REUTERS / Leonhard Foeger
ウィーン

一方でチェコ共和国の国民はすでに国内だけでなく外国への移動も可能となっている。とはいえ多くの国々が入国を受け入れていないことから実際には国外に出ることはまだできない。  

イタリア:「私たちはこのリスクを踏まえなければならない」

新型コロナから深刻な影響を受けたイタリアもまた慎重に危機脱出を図っている。国内のいくつかの店舗は4月中旬にはすでに営業を再開していたが、5月4日からは工場や企業、建設現場が段階的に活動を開始した。5月にはすべての店舗やレストラン、理美容店が営業をはじめ、また、6月15日には劇場と映画館が再開する見通しだ。ただし、大人数が一か所に集まることはこれまで通り禁止される。小中高校での授業再開は9月を待たねばならない。こんな中、国境を6月3日から開放するという発表は大きな話題となった。現在のところ欧州連合(EU)内に限られるが、イタリアへの入国者には14日間の自己隔離は課せられない。

© REUTERS / Remo Casilli
ローマ

コンテ首相は自己隔離規制の解除の決定について「計算されたリスク」と呼び、「私たちはこのリスクを受け入れる必要があり、そうしなければ決して復興することができない」と語った。イタリアの国内総生産(GDP)のうち15%を占めるのが観光という現実がある。

自己隔離からの最初に脱却したのは… 収穫作業者ら

フランスでは5月11日から自己隔離措置の解除の新たな段階がはじまった。外出証明書の取得義務は廃止され、半径100キロメートル内での人々の移動が許可された。店舗は営業を再開し、企業をはじめ、公園や美容サロン、小規模の美術館なども営業を再開した。初等・中等学校も授業を再開し、高等学校は5月25日から、または大学と同様、6月のはじめから授業再開となる。こうした一方で仏政府は、収穫のためにEU各国からの季節労働者の入国を許可した。当初は、自己隔離措置から失業した自国民を収穫作業に斡旋する決定が下されたが、この募集に関心を寄せた30万人のうち、残ったのはわずか1万5000人。それ以外の人はこうした作業に必要な経験がない、農作業の大変さに耐えかねたなどの理由で脱落していった。

第2次大戦以降はじめてのオクトーバーフェストの中止

ドイツでは国家が連邦によって構成されているため、全国一律の規制解除スケジュールは存在しない。しかし、4月20日からほぼすべての地域で商店(店舗面積800平方メートル以内)や自動車販売店が営業を再開した。5月4日には学校と理容店が再開した。厳しい衛生措置の遵守が求められるなか、段階的にレストランや他の 飲食関連企業が営業を開始している。この間では、教会が日曜礼拝を再開したが、来訪者数を含め一連の規制の遵守のもとでの実施となった。たとえば、ウイルスを拡散するおそれがあるとの当局の判断から、賛美歌の詠唱などは禁止された。感染状況が改善されたにも関わらず、ミュンヘンの市長は、9月19日から10月4日まで開催予定だったオクトーバーフェストを中止とした。かつて最大集客人数200万人を記録したオクトーバーフェストが第2次世界大戦以降はじめて中止となり、ドイツ市民は大きな衝撃を受けた。

社会的距離を保つためのビニール人形

4月に米国では自己隔離措置を解除する3段階プラン「アメリカを再開する(Opening up America Again)」が策定された。米国では規制期間は各州知事が定めていることから、解除も各州が状況を判断して行う。4月にビジネス再開のために、全米に先駆けて自己隔離措置を緩和したのはジョージアとオクラホマの2州。現在、すでに他の多くの州でもサービス関連分野やカフェ、レストランが営業を行っているが、来訪者は1.8メートルの社会的距離を遵守せねばならない。いくつかの地域では社会的距離を保つためビニール人形を活用している。

5月のはじめ、フロリダ州とサウス・カロライナ州は海水浴場のオープンをはじめ他の規制の緩和を行った。大統領選挙をわずか6ヶ月後に控えた中でトランプ大統領は新型コロナウイルスの危機に直面し、経済の再生を急速に図ろうと躍起になっている。しかし、パンデミックの「第2波」が起こればトランプ大統領は来るべき選挙で勝利を逸することもありえる。

日本 非常事態宣言の解除と第2波への準備

25日、日本政府は国内の非常事態宣言を解除した。この決定により東京と埼玉、千葉、神奈川、北海道の5都県における非常事態宣言が解除されたが、これに先立ち47都道府県のうち42府県ですでに解除が行われていた。日本政府は、段階的な規制措置の緩和を予定しており、また同時に、新たな感染拡大への備えとして国内の医療システムに対する予算増額を計画している。日本の首相は、新たな感染が起き、その感染拡大の速度が速まった場合には、非常事態宣言が再度発令されることもありうるとしている。

スカイツリー周辺の桜(東京・浅草)
© Sputnik / デニス・コルジョフ
スカイツリー周辺の桜(東京・浅草)

ロシア 公園の開放は一番最後

ロシアも同様に、段階的な規制の解除に取り組んでいる。解除の決定は各州知事が主要な衛生医と協議を行いながら下す。第1段階は、通気性の良い環境下でのスポーツや子どもとの散歩、社会的距離を遵守した商業およびサービス関連業が許可となった。第2段階では、家族で外を散歩することや教育機関の再開が予定される。第3段階でようやく公園の開園が許可される。現在、ロシアの85地域のうち56地域で規制の緩和が図られているが、一方で逆に規制措置が強められた地方もある。

© Sputnik / Mikhail Voskresenskiy
モスクワ

一方で、欧州疾病予防管理センターは、当局が状況をコントールしてはいても新型コロナウイルスの「第2波」が起きる危険性はあると警告している。しかし、多くの国々では経済も市民自身もすでに我慢の限界に達していることは間違いない。

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