09:20 2020年09月26日
新型コロナウイルス
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検疫措置の束縛から解放されたと喜ぶのはまだ早い。多くの国が再び感染者数の増加を発表しており、制限措置を再開するところもあり、ウイルス学者の発言にも警戒感が加わる。感染の再拡大はすでに第二波と呼ばれており、再開し始めたばかりの経済に更に大きな打撃を与え、各国の国民や政府の計画を直撃する可能性がある。スプートニクが現状を調べた。


「第二波」か「第一波の2度目のピーク」か?

国際団体Worldmeterによると、8月3日時点で世界の感染者数は1800万人にのぼっている。ウイルス学者はすでに数ヶ月前から新型コロナウイルスのパンデミック第二波を予測している。WHOは多くの国で発生している事象を「ウイルスが十分に押さえ込めていない場所での、第一波の2度目のピーク」であると説明し、「第二波」という用語を避けている。

しかし、8月3日の記者会見でWHOのテドロス事務局長は、初期段階で新型コロナ感染症をくい止めた国の中でも、この数週間で再び感染拡大が見られていると言及せずにはいられなかった。これまでにWHOは新型ウイルス(SARS-CoV-2)が風土病となり、今後も消滅しない可能性を指摘していた。マスコミ報道や政治家の発言を見る限り、ヨーロッパはすでに新型コロナの新たな波の際に立っているようだ。


感染拡大の原因は観光?

警戒シグナルが入ってくるようになったのは、多くの国が検疫措置を緩和した後である。最初に緩和に踏み切ったのはドイツ、スペイン、ギリシャだ。商店やレストランなど、人の多く集まる場所が再開した。数ヶ月に及ぶ長い自宅隔離に疲れ切った人々は衛生対策の遵守に十分な注意を払わなくなった。危険は過ぎ去った、日常が戻りつつあるという誤った感覚もリスクを高める一因となった。多くの人々は「マスクはもううんざり、しかも暑い日にマスクをつけるのは大変だ」と言ってマスクを軽視するようになった。親類や知人に感染者がいない人が時として、パンデミックは周囲がパニックを起こしているだけの神話に過ぎず、現実はそれほど恐ろしいものではないと考えてしまうのと同じだ。感染拡大のもうひとつの原因は、世界中で旅行する人の数が再び増加したことである。

イギリスのボリス・ジョンソン首相は先週、ヨーロッパに新型コロナウイルスの第二波が来ている可能性があるため、まだ感染症対策を緩和しないと述べた。このほか、スペインから入国する人に対して2週間の検疫措置を義務づける決定をした。

ヨーロッパの疫学者によると、イギリスの人口10万あたりの新型コロナ感染者数が平均14.7人であるのに対し、スペインでは35.1人だという。

© REUTERS / Nacho Doce
バルセロナ

同じく感染者数の急増が見られるドイツでも、外務省が国民に対してスペインへの渡航を控えるよう呼びかけている。ドイツの専門家によると、感染増加の原因のひとつが海外旅行、正確には外国から帰国した旅行者であるという。ちなみに、ドイツの新聞Weltは、ドイツの新規感染者数509人は1日の統計で2万5000人の感染が出ているブラジルや、1日の感染者数が5万人に達したインドに比べれば大惨事ではないと書いている。


メルボルンでは夜間外出禁止令、沖縄では緊急事態宣言

ブラジルの感染者数は、ウイルスを否定していたニコラス・マドゥーロ大統領も含め、270万に達している。感染者数は世界2位だ。1位は依然としてアメリカ。本稿執筆時点でのアメリカの感染者数は497万人である。新型コロナ対策の模範とされるベトナムの感染者数は717人である。それでも、新規感染者が見つかったことで、7月27日には8万人の観光客をダナンから避難させ、大規模検査の実施を発表している。

オーストラリアでも検疫措置が厳しくなっている。メルボルンでは8月3日、オーストラリア近代史上初めて夜間外出禁止令が発動された。住民は緊急時を除いて夜8時から翌朝5時まで自宅を出ることが許されない。自宅から5キロメートル圏外に出ることが禁止され、買い物は1日1回、家族の1人だけに許される。この制限措置は少なくとも9月13日まで継続される。

新型コロナの拡大は日本でも続いている。感染者数は5月の10倍だ。主に感染が集中しているのは東京と大阪。沖縄では感染状況の悪化を受けて8月1日から2週間の緊急事態宣言が出された。沖縄では7月31日に71人の新規感染者が確認された。沖縄県では395人の感染のほか、米軍基地の職員248人の感染が確認されている。一方、他の都道府県では緊急事態宣言は解除されており、商店もレストランもナイトクラブも営業している。ナイトクラブは日本だけでなく、韓国でも感染の温床となった。

ロシアでは意見が割れている。ロシア主任衛生医師のアンナ・ポポワ氏を含め、第二波は避けられないと考える医師がいる一方で、元ロシア主任衛生医師で現職の下院議員であるゲンナジー・オニシェンコ氏を含む医師らは、第二波の可能性は低いと考えている。

© Sputnik / Mikhail Voskresenskiy
モスクワ

新型コロナウイルスのワクチンに対する行動は誰にも分からない

サンクトペテルブルクの再生医療研究所の副院長でウイルス感染学者のパーヴェル・アレクサンドロフ氏は第二波の到来を確信している。スプートニクのインタビューでアレクサンドロフ氏は次のように語った。

「第二波は必ず来ます、しかも多くの国で。まだ第一波が終わっていない地域もあるというのに。ロシアを含む多くの国でまもなく使用が開始されると言われているワクチンに対して、新型コロナウイルスがどのような動きを見せるのか、誰にも分かりません。どんな変異が起こり得るのか、新型コロナウイルスとインフルエンザやウイルス性急性呼吸器感染症などの季節性疾患がどのように組み合わさるのか、誰にも分からないのです。私たち医師はワクチンが効果的であってほしい、広く使用され、副作用がなければいいと心から願っています。時間とともに集団免疫も形成され、各国の医療体制が持ちこたえることを願っています。けれど、このウイルスとは長い、下手をすれば永遠の付き合いになりそうです・・・」


一方、Bloombergによると、アメリカ、イギリス、EU、日本は13億回分の新型コロナワクチンを確保したという。Bloombergは、アメリカとイギリスはフランスの製薬大手SanofiとイギリスのGlaxoSmithKlineと合意したと伝えている。日本はアメリカのPfizerと契約を締結した。専門家は、これらの国ほど豊ではない他の国々のワクチン取得は「最後にまわされる」のではないかと懸念を示している。

経緯:新型肺炎はどのように流行するのか
© Sputnik / Savitskaya Kristina
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