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    モスクワ美術館浮世絵名品展 (アーカイブ)

    浮世絵の謎を解くヤロスラヴリ

    © Sputnik/ Sergey Subbotin
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    リュドミラ サーキャン
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    今から1年前、ヤロスラヴリに外国アート美術館がオープンした。同美術館はヤロスラヴリ美術館の分館で、ヤロスラヴリ建都1000年、ヤロスラヴリ美術館開館95周年、そしてロシアにおける文化年に合わせて2014年に開館した。

    外国アート美術館は、欧州と東洋の作品が展示されているヤロスラヴリ唯一の美術館だ。外国アート美術館では、オランダ、イタリア、フランス、スペインの作品の常設展示と並んで、中国と日本の作品が展示されている東洋ホールがオープンした。東洋ホールもいつでも見ることができる。ヤロスラヴリ美術館・館長補佐交流担当のマリーナ・ポルィヴャナヤさんは、日本の展示コーナーがつくられたエピソードについて、ラジオ「スプートニク」に語ってくれた。

    「日本美術の展示品の最初の3作品は、ヤロスラヴリのある家族が戦後(1945年以降)美術館に寄贈してくれたものです。これは象牙製の花瓶2点と脇差です。これらは19世紀末、また20世紀初頭のものです。1997年1月、日本の有名な社会活動家で画家、そして慈善家でもある五井野正(ゴイノ・タダシ)さんが、ペテルブルグのエルミタージュ美術館と、私たちの美術館に対して、展覧会『ゴッホが愛した浮世絵と五井野正展』の開催を提案されました。展覧会の開会式では、五井野正さんが浮世絵100点を私たちの美術館に寄贈されると発表されました。これはセンセーショナルな出来事となりました。五井野正さんは、ヤロスラヴリの学校にも浮世絵50点を贈られ、そのうちの数点は、のちに私たちの基金に譲渡されました。さらにエルミタージュ美術館にも100点が寄贈されました。ロシアの2つの美術館が、貴重な贈り物を受け取りました。」

    1996年、露日国交回復40周年を記念したフェスティバルの枠内で、エルミタージュ美術館、プーシキン美術館、そしてモスクワにあるロシア美術アカデミーで、五井野正さんの浮世絵コレクションが初めて展示された。ヤロスラヴリ美術館は、展示品を識別し、正しいカタログを作成するために、エルミタージュ美術館に協力を求めなければならなかった。ポルィヴャナヤさんは、次のように続けている。

    「私たちの美術館には、東洋の作品に携わっている専門家がいませんでした。そのため私たちは、エルミタージュ美術館の専門家たちに助けを求めざるを得ませんでした。エルミタージュの専門家は、コレクションの保存状態や多様性、そして日本の浮世絵で非常に人気のあった古典的なテーマを高く評価しました。それは、この芸術ジャンルで最も一般的だった歌舞伎座での劇場の様子や、『源氏物語』の挿絵などです。絵の内容、シンボル、署名などを読み取るために、助言が必要でした。私たちはこれらの作品がヤロスラヴリにあることをとても嬉しく思っています。」

    文字通り、つい最近、ヤロスラヴリの外国アート美術館に、思いがけず貴重な展示品が1点加わった。これも五井野正さんのコレクション作品だ。寄贈したのは、元ヤロスラヴリ州知事のアナトーリー・リシツィン氏。ポルィヴャナヤさんは、次のように語っている。

    「私たちの美術館の所蔵品に、日本の版画がもう1点加わりました。ですから私たちは、再びエルミタージュ美術館の専門家に協力を依頼しなければなりません。この作品を美術館に寄贈してくれたのは、ロシア上院(連邦会議)のメンバーで、第1代ヤロスラヴリ州知事のアナトーリー・リシツィン氏です。この作品は、五井野正さんがリシツィン氏に個人的に贈ったものです。機が熟し、元州知事は、このような貴重な作品に最もふさわしい場所は、主な作品を所蔵している美術館であると考えました。私たちはこの作品の解読も行わなければなりません。いま分かっているのは、歌舞伎役者が描かれているということだけです。」

    もちろん、ヤロスラヴリの小さな外国アート美術館の日本美術コレクションは、サンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館、あるいはモスクワのプーシキンのコレクションにはかなわない。ゴッホが個人的に収集した400点以上にのぼる浮世絵コレクションと比べても少ない。しかし歌川派の浮世絵は、その1枚1枚が、鮮やかで、独特で、比類なき日本の芸術の貴重な例だ。いつの日かヤロスラヴリにも、「日本の芸術を学ぶと、より幸せに、そしてより嬉しくなる…」と指摘し、かつてのゴッホのように、浮世絵を取り入れたロシアの若い画家が現れるかもしれない。

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