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    モスクワ博物館で展覧会「声の家」が開幕した

    言語の消滅を防ぐのは可能か?

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    リュドミラ サーキャン
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    世界には、数百万人、あるいは数億人によって話されている言語がある。例えば、英語、ロシア語、ドイツ語、中国語、日本語などがそうだ。そのような言語はそれほど多くはない。言語のおよそ3分の1が、話者数が1万人以下の少数言語だ。また、話者数が数千人、数百人、さらにはわずか数人という言語もある。

    モスクワ博物館で展覧会「声の家」が開幕した。同展覧会は、詩人、画家、映画製作者たちの力によって開催された。展覧会「声の家」は、ロシアの少数民族の消え行く言語の問題に関する「芸術的研究」だ。展覧会のキュレーターを務める詩人のコンスタンチン・シャヴロフスキーさんは、次のように語っている。

    「展覧会は、消滅の危機にある言語の問題を提起しています。このテーマは、言語に関する学術界と郷土博物館にのみ存在しており、社会の議題にはなっていません。これは、自分たちの言語的アイデンティティをまだ維持している数多くの小さな民族コミュニティがあるロシアにも関係するグローバルな問題です。この問題は、アイデンティティ、言語、歴史的責任、過去そして未来などに関する多くの問いを現代世界の前に投げかけています。たくさんの問いかけがありますが、明確な答えはありません。その意味において、私たちの展覧会も答えを与えてはいません。逆に、私たちは世界の文化の一部である消滅の危機にある言語を救うことができるだろうか?という問いを提起しています。」

    言語の消滅は新たな現象ではない。言語学者たちは、言語の多様性の消滅を、地球上の生物種の減少にたとえている。絶滅の危機にある野生生物について記載した「レッドデータブック」のようなものとして、消滅の危機にさらされている言語の世界地図が作成された。ロシア科学アカデミー言語学研究所のアンドレイ・キブリク主任研究員は、「現時点で約2000言語が危機的状況に置かれている。ロシアでは、主に北方とシベリアの言語だ。昔からユーラシアの同地域の民族グループはあまり大きくなかった。その結果、彼らの交流手段は、非常にもろくて弱い。北方とシベリアの先住民族の言語の大多数は、現在、極めて悪い状態にある。事実上、これらの言葉を話せるのは、一定の年齢より上の人々だけだ」と主張している。

    今回の展覧会は、サハリンとレニングラード州に住むわずかな人々しか話さない消滅の危機にある4つの言語をテーマとしている。この4つの言語を簡単にご紹介しよう。1つ目は、「ニヴフ語」。サハリン島北部で話されている言語だ。いかなる主流の言語系統にも属していないため、孤立している言語とされている。正確な起源は明らかにされていないが、日本語の起源とする日本の言語学者たちもいる。現在、ニヴフ語の話者数は100人未満だ。

    2つ目は、「ウィルタ語」。サハリンのポロナイスク地区と北海道の一部で話されている。アルタイ語族のツングース満州語派に属する。北海道大学の池上二良(いけがみ・じろう)教授によって1994年に書記法が確立された。キリル文字とラテン文字を基盤に表記される。話者数は、50人未満だ。

    そして、「イジョール語」と「ヴォート語」だ。この2つの言語は、ウラル語族フィン・ウゴル語派に属し、かつて現レニングラード州で話されていた。現在の話者数はそれぞれ数十人。
    展覧会の主催者側は、少数民族だけでなく、同化のプロセスがほぼ終了してしまったその言語と民族にも注目した。話者が数人から数十人しかいなくなってしまった言語について話し合う価値はあるのだろうか?展覧会の別のキュレーター、ガリーナ・ルィムブ氏は、次のように語っている。

    「学術界や芸術分野では、このテーマが大きな関心を呼んでいます。展覧会の企画に、言語学者、民族誌学者、人類学者たちは参加していません。ですが学者たちは議論に参加します。私たちにとって重要なのは、消滅の危機にある言語について話し合うことだからです。私たちは自分たちが身に着けた芸術という手段を使って問題を提起しました。」

    言語の消滅は悲しい現実だ。一方で、地球上に言語が多ければ多いほど、コミュニケーションの問題も増えるという意見もある。様々な時代に、世界共通の言語として人工言語をつくる試みが行われてきた。その中で最も有名なものとしてエスペラントがある。しかし、人工言語が世界的なコミュニケーション手段として使用されていないのも事実だ。

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