スプートニクが7作品の中から選んだ「目玉」は『白夜』。この映画は今年6月、第39回モスクワ国際映画祭で初公開されたばかり。いつまでも暮れることのない夏のペテルブルクの街歩きを撮ったものだが、観る者にはもちろん、文豪フョードル・ドストエフスキーの同名の作品『白夜』に登場する悲劇的な運命の若者を想起させる。
夢見がちな青年フョードルが白夜のペテルブルクの町を彷徨う中で魅力的な女性、ナースチャに出会う。フョードルはドストエフスキーの作品の中の主人公のようにしばらくの間、女性に近づくのをためらっていたが、ある拍子に知り合い、そこからふたりの陽気でクレイジーな街歩きが始まる。フョードルはナースチャに恋をする。が、やがて苦々しい失望の瞬間が訪れる。ナースチャにはフィアンセがいて、フョードルとのことは単に気楽な仲間と気ままな時間を過ごすためのきっかけに過ぎなかった。
本映画を撮影したタチヤナ・ヴォロネツカヤ監督自ら映画祭へ出演し、日本の観客に作品を紹介する。 普段はなかなか観ることのできない現代ロシア映画に触れる絶好の機会。あなたならどんな作品がお気に召すだろうか?
詳しくは企画元の「ロシア映画祭実行委員会」のチラシをご覧ください。