ガーディアン紙の記事によれば、ユネスコ世界遺産委員会のメンバーらは、リバプールの歴史地区にサッカーの新スタジアムが建設されたこと、また市政府が港湾地区内に、超高層建築物やクルーズ船の発着場の建設を承認したことにより、歴史的な港の景観が失われ、「正当性と一体性」を損ねるとして、今回の決定を下した。
今回の世界遺産登録抹消について、ガーディアン紙は「不可逆的な損失」であると評している。世界登録遺産が抹消されたのは、3例目。これまで2007年にオマーンのアラビアオリックスの保護区(政府が密漁を黙認したことによる)が、また2009年に独ドレスデン・エルベ渓谷(エルベ川に架かる橋が建設され、景観を損ねたことによる)がそれぞれ登録抹消されている。
リバプールのジョアン・アンダーソン市長は、「ユネスコの決定に本当に失望した」とし、撤回を求めると述べている。アンダーソン市長は、ガーディアン紙に対し、「英国の世界遺産が今より良い状態であったことはない」と述べ、「港湾地区に数十万の観客を魅きつけるサッカースタジアムを建てるよりも、廃墟のままにしておくことを望むなど信じられない」と述べている。
韓国が、第二次世界大戦中に端島炭坑(長崎)が朝鮮半島出身者の強制労働に使われたことを日本が認めない限り、端島の文化遺産登録を抹消するよう求めているというニュースは、スプートニクの過去の記事よりお読みいただけます。
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