23:54 2020年07月08日
フィギュア特集
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紀平梨花選手(17)が、羽生結弦選手(25)に五輪金メダルをもたらした、あのカナダのブライアン・オーサー氏(58)に師事する。オーサー氏の元には2年前、ロシアのエフゲニア・メドベージェワ(20)も秀逸な選手を輩出するロシアきっての凄腕コーチ、エテリ・トゥトベリーゼ氏(46)のもとを去って移っている。メドベージェワはオーサー氏についてからまだ、望んだような成果をあげていないが、紀平は自分のポテンシャルを現実化し、成功を収めることができるのだろうか?

紀平のファンたちは、メドベージェワの大成功とはいえない前例を見ているだけに 、今まで培った達成を日本を離れて別の国で紀平が失うことはないかと、不安をにじませている。メドベージェワは昨シーズン、トゥトベリーゼ・チームの教え子らの成功を上回ることができなかったばかりか、自分の今まで収めた達成もリピートすることはできず、グランプリシリーズ(GP)のファイナルにも欧州選手権にも出場が叶わなかった。

一方でメドベージェワのファンたちが気にしているのは別の問題だ。紀平と一緒の練習はメドベージェワ自身には影響しないのだろうか? なぜなら紀平がオーサー氏の元で始めるのはまさに五輪への準備であり、ロシア人女子を確実に打ち負かすつもりで特訓するからだ。

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スプートニクは女子シング界で持ち上がった予想外の展開について、ロシア人コーチのインナ・ゴンチャレンコ氏に取材した。紀平のカナダ行きはメドベージェワの事例と並べて語ることのできる類のことなのか。メドベージェワがトゥトベリーゼ氏から去り、オーサー・コーチの元に移ったのは平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ(18)に比べて劣ってしまった技術の差異を埋めるのが最大の目的だったからだ。ところが紀平の場合、持ち技のレンジはものすごく広い。(とはいえ、ロシアのトルソワ(15)、コストルナヤ(16)、シェルバコワ(16)を紀平はまだ打ち負かしてはいない)。

「ライバル争いが害になることは決してありません。競争によって選手は引き締められ、刺激され、筋肉を緊張した状態に保つことができるからです。だから強い選手に交じって練習することはプラスにしかならないのです。強豪と鎬を削る競争で選手は自分に打ち勝ち、より難解なエレメンツ(技術要素)をものにしていく。ですからメドベージェワがトゥトベリーゼ氏から出たのは、おそらく別の理由があったはずで、そのことについて本当のことを語れるのは彼女自身しかいません。メドベージェワはまだ望む結果を出していない。女子シングルの難解度は今、ぎりぎりの限界にまで達していますからね。でもメドベージェワは闘士です。絶対にあきらめはしない。」

紀平選手がオーサー氏のもとへ移ったというニュースは、ゴンチャレンコ氏には意外だったという。

「昨シーズンのこの選手(紀平)はとてもよかったですね。自分のスケーティングのスタイルを確立していますし、演出も奇抜でオリジナリティに富んでいます。紀平の姿をシーズンを通して追うのは面白かったですね。これはつまりこの選手は印象に残る、特異な存在だったということです。プラスして紀平は高度な技をこなし、両プログラム(SP、FS)ともにトリプル・アクセルを入れていましたし、他の最難関のエレメンツ(4回転ジャンプ)を習得しようとするところも私は見てきました。4回転ジャンプは彼女にとってはまだトリプル・アクセルにような得意技ではありませんが、習得に向かって進んでいます。紀平はシーズンを通して右肩上がりに上がっていき、目に見える成長を遂げました。ですからここでコーチを替えるというのは、コーチの側にしてみてもそうでしょうが、私にも理にかなったことに思えないのです。」

本当の理由はメドベージェワのケースと同じく、この場合も紀平本人の口からしか知る由もない。メドベージェワは五輪でザギトワに悔しい負けを期した後、トゥトベリーゼ・コーチの元を去った。メドベージェワはこのページを閉じ、オーサー氏と一緒になって自分の目の前に野心的な新たな目的を立てたかったのだろう。紀平がオーサー氏との連携作業で狙うのは五輪のメダルに他ならない。それに紀平は今まで師事してきた浜田コーチとの連携を断ち切るわけではない。オーサー・コーチは彼女にとってはあくまで第2の師匠となる。

ゴンチャレンコ氏はこの状況から、断定はできないものの、紀平がオーサー・コーチの元でトレーニングするのは夏季研修としてであって、完全な協力関係ではないのではないかと読んでいる。

オーサーコーチ
© Sputnik / Nina Zotina
エフゲニア・メドベージェワ選手とブライアン・オーサー氏

話がどうであれ、紀平はオーサー氏にとってはものすごくバリューの高い大物だ。なぜなら今年、来年の世界選手権、北京五輪への出場権獲得の可能性はカナダ行きの前の時点ですでに極めて高かったからだ。メドベージェワは自分自身を、そしてファンをウルトラCのエレメンツであっと言わせるには相当のことをやり遂げねばならない。昨シーズンのロシア代表のライバルたちはGPファイナル、欧州選手権で勝利を飾り、ますます自己ポジションを固めているからだ。選手生活でそんなむしゃくしゃした気持ちでいるところにさらに加わったのが五輪にターゲットをしぼった紀平という存在。

メドベージェワの公式的な代表者らは、「キヒラについて、また彼女がブライアン・オーサー氏と行う作業についての情報を我々は有していない。これについてはブライアンとは話し合ってはいない。このため、この状況はエフゲニアとは何の関係もない」とコメントしている。メドベージェワ自身からのコメントは表されてはいない。


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エフゲニア・メドベージェワ, 紀平梨花, フィギュアスケート
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