04:09 2021年04月13日
フィギュア特集
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新型コロナウイルスの感染拡大により、2020/2021年の競技シーズンは危機にさらされている。カナダのモントリオールで開催予定だった2020年の世界選手権、スウェーデンのストックホルムで開催予定だった2021年の欧州選手権は中止となったほか、グランプリシリーズ大会は制限を加えた形で開催された。こうした状況において、すべての選手が困難に直面することになったが、多くのファンたちは、これによって1シーズン以上のブランクを開けることになる選手たちの今後の競技人生について懸念している。1シーズン以上、大会への出場を見送った選手たちが再びアイスリンクに戻り、ふたたび勝利を手にすることはできるのか?「スプートニク」がまとめた。

最近のフィギュア界は、主力選手が目まぐるしく変わることが批判されている。特に女子シングルのチャンピオンは1~2年しかその座に君臨せず、最近までジュニアだった選手に、表彰台を譲ることになる。またケガなどを理由にシーズンを棒に振ることになれば、評論家たちもファンたちもその選手をすぐに有力選手から除外する。

2019/2020年のシーズンは、ロシアのベテラン女子選手にとって厳しいものとなった。アリーナ・ザギトワは2019年に競技活動の一時休止を発表し、エヴゲニヤ・メドベージェワは休止を発表してはいないものの、2019年11月以来、国際大会には出場していない。2人が最後に見せた演技は完璧と言えるものではなかった。アリーナ・ザギトワはグランプリファイナルで最下位に終わり、エヴゲニヤ・メドベージェワはファイナルに進出できず、またスケート靴が壊れるというアクシデントによりロシア選手権を棄権した。また2020年に入ってからは、背中の痛みと新型コロナウイルスへの感染にも苦しみ、国内選手権(国際競技会のロシア代表を決める選考会)出場に向けた準備が行えなかった。一方のザギトワは競技とは別の世界に軸を移し、アイスショーに出演したり、ロシアの主要なテレビ局で司会をしたりしている。

熱烈なファンたちは、ザギトワもメドベージェワもまだ金メダルを賭けて戦うことができると信じているが、実際、そのようなことが現実となる可能性はあるのだろうか?この問いに答えを出すため、過去に、一度、競技から離れたものの、のちに主要な国際大会でメダルを獲得することができた有名選手たちを思い起こしてみたい。


「わたしも立ち上がった。だからあなたも立ち上がれる」

ロシアのイリーナ・スルツカヤはさまざまな大会で何度も勝利を手にした選手だが、実は、現役中、大会から遠ざかったシーズンがあった。2003/2004年のシーズン、彼女は自己免疫疾患(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)という重い病にかかり、引退を余儀なくされるだろうと噂された。しかし、2005年、スルツカヤはリンクに復帰し、世界選手権、欧州選手権、そしてグランプリファイナルで優勝、2006年には欧州選手権で7つ目となる金メダルを獲得、過去最高を記録した。トリノ五輪で2つ目のオリンピックメダルとなる銅メダルを手にしたのも、競技活動を休止した後のことである。

インタビューの中で、スルツカヤは、自分自身を信じることの大切さを、何度となく指摘している。「昨年、脱落した後、どうやって立ち上がったのかとよく訊かれますが、これは正しい表現ではありません。そんな言葉を使うのは間違っています。病気は脱落ではありません。災難なのです。そして残念ながら、病気から完全に身を守ることは誰にもできません。病気からの回復を信じることができない人々に言いたいのは、自分を信じて、闘い抜いてくださいと言うことです。わたしも立ち上がりました。だからあなたも立ち上がれます」。


リーダーとして去り、リーダーとして復帰する

世界で初めてフィギュアスケートの四大大会(オリンピック、世界選手権、四大陸選手権、グランプリファイナル)のすべてを制し、オリンピックで韓国人として初めてバンクーバー五輪で金メダルに輝いたキムヨナは、長期にわたる休養期間を経て、2014年のソチ五輪のため、競技大会に復帰した。

キムヨナは2010/2011年のシーズン、大会には出場しなかったが、その次のシーズンに、幼少時代に師事していた最初のコーチである韓国人のシン・へスク、リュ・ジョンヒョン両氏とともに再始動した。2人の指導の下、キムヨナは世界選手権で、2位に20ポイント以上の差をつけて、優勝した。五輪では、ロシアのアデリーナ・ソトニコワに勝つことはできなかったが、それでも見事な復帰を果たした。


現役最後の年にオリンピックで勝利する

2014年のソチ五輪で銀メダルを獲得したカナダのケイトリン・オズモンドは、現役の間、安定した演技を見せることで知られた。オズモンドも深刻なケガ(ストレス性の足のケガを含む)に何度も悩まされながら、その度に復活を遂げ、2014年から2016年まで大会で良い結果を残せなかったものの、その後、カナダの代表チーム入りを果たした。2シーズンも好成績を残せずにいたものの、オズモンドはコンディションを取り戻しただけでなく、2018年の平昌五輪に向け、スケートの技術を進化させた。

スポーツ雑誌「アイス・ネットワーク」のインタビューに応じたオズモンドは、一旦競技会を離れたことは自分にとって逆にプラスになったと打ち明けている。「わたしはケガで休止するまでのレベルにまで回復することができました。もしかするともっと良い状態だったかもしれません。実際、ずっと良い状態だったと思います。ジャンプもよくなり、スケーティングもずっとうまくなりました。わたしには休養が必要だったのです。ここ数年、ケガが多かったので、それを完全に治す時間が必要だったのです」。

大会を諦めないという彼女決意が正しかったことは、平昌五輪で証明された。オズモンドは、代表チームの仲間たち(ガブリエル・デールマン、パトリック・チャン、テッサ・バーチュー&スコット・モイヤー、ミーガン・デュアメル&エリック・ラドフォード)とともに、ロシアチームに7ポイントの差をつけ、団体金メダルに輝いた。またシングルでも、それまでに多発させていたミスを回避し、アリーナ・ザギトワ、エヴゲニヤ・メドベージェワに次いで、銅メダルを獲得した。そしてイタリア、ミラノで開かれた世界選手権ではザギトワ、コストナーを抑えて、堂々の金メダルに輝いた。

  • 樋口新葉, ケイトリン・オズモンド, 宮原知子
    樋口新葉, ケイトリン・オズモンド, 宮原知子
    © AFP 2021 / Miguel Medina
  • エヴゲニヤ・メドベージェワ、アリーナ・ザギトワ、ケイトリン・オズモンド
    エヴゲニヤ・メドベージェワ、アリーナ・ザギトワ、ケイトリン・オズモンド
    © Sputnik / Aleksander Vilf
  • ケイトリン・オズモンド
    ケイトリン・オズモンド
    © AFP 2021 / Miguel Medina
  • ケイトリン・オズモンド, ガブリエル・デールマン、パトリック・チャン、テッサ・バーチュー&スコット・モイヤー、ミーガン・デュアメル&エリック・ラドフォード
    ケイトリン・オズモンド, ガブリエル・デールマン、パトリック・チャン、テッサ・バーチュー&スコット・モイヤー、ミーガン・デュアメル&エリック・ラドフォード
    © AP Photo / Paul Chiasson / The Canadian Press
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© AFP 2021 / Miguel Medina
樋口新葉, ケイトリン・オズモンド, 宮原知子

最近は、時代とともに、こなすべきジャンプの種類が増え続けているが、それでも一度、競技を離れた選手が輝かしい復活を遂げた例はある。問題は、勝利を勝ち取るまで闘い続ける体力とモチベーションが十分に足りるかどうか、それだけである。


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