18:06 2021年10月16日
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フクシマ=事故処理と大変動後の生活 (51)
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ロスアトムの子会社で放射性廃棄物の処理を担当する「ロスRAO」社が、液体放射性廃棄物からトリチウムを除去する装置のデモ版の組み立てに関する実務文書一式を作成した。福島第一原発のための装置だ。

2014年、日本は、福島第一原発事故以後蓄積した液体放射性廃棄物からトリチウムを除去する技術および装置の開発について、国際入札を発表した。29通の応募があり、プレゼンテーションの末、カナダ、米国、ロシアの3社が選抜された。そのロシア代表がロスRAO社である。装置は「トリトン」という名前。「精留」や「同位体交換」といった技術を用い、トリチウムを凝集させ、最小規模のチタンハイドレートとして定着させ、安全に埋設できるようにする。この装置について、「ロスRAOセーヴェロ・ザーパド」社のアレクサンドル・ボグツキイ代表は次のように述べている。

「100分の1サイズのデモ装置だ。これが我が社の技術の高さと、「正当性」を証明してくれる。ここで「正当性」というのは、汚染水からトリチウムを除去し、埋設のための特別な基質に埋め込む能力の高さのことである。日本にとってはこれは特別にアクチュアルなことだ。いま我々はまだ、企画と設計の段階にある。サンプルを実際に組み立てるのは今年の後半になる」

福島第一原発では、汚染水の浄化が最も急を要する課題の一つとなっている。半世紀以上にわたる原発運用の歴史、ならびに放射性核種を利用する諸機関の活動の歴史の中で、放射性廃棄物を浄化する技術が創られてきた。トリチウムを含む水を浄化する技術も、そこに含まれる。しかし、吸着、抽出、蒸散といった古典的な方法では、トリチウムを除去することはほぼ不可能であった。既存の方法はあまりに多量のエネルギーを消費し、しかも危険であった。その点、ロシアの技術には利点がある。浄化技術の特許保有者、セルゲイ・フロリャ氏は、スプートニクの取材に次のように答えている。

「ライバルと同じだけのエネルギー消費で、遥かに高い濃度を得られる。液体放射性廃棄物の浄化後は、ほとんどトリチウム混合物入りの蒸留水が残るばかりである。課題は、浄化のサイクルを通じて、トリチウムが凝集し、埋設できるような、そんな装置を創ることである。基本的に、そうした技術は既に存在するし、運用されてもいる。精留とか、触媒同位体交換といった技術である。こうした技術を最適な形で組み合わせ、格段に経済的で、最大限効果的に課題を解決できるようにするのが、私たちの方法論である」

サンプルのプレゼンテーションが2016年3月までに実施される予定だ。ロスRAOは、もしデモ・プロジェクトを上首尾に終えられたなら、いよいよ、福島第一原発に貯蔵されている大量のトリチウム含有汚染水の浄化を行う装置の完成版の開発に名乗りを上げる。

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