07:10 2020年03月30日
日本
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集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案 (34)
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抗議行動が続き、スキャンダルを伴いながらも、日本の衆議院は、自衛隊の権限拡大を含んだ新しい法案を可決した。イニシアチブを取った安倍首相は、この法律の必要性について「日本をめぐる安全保障状況は、厳しくなっている。修正は、日本人の生活を守り戦争を阻止するために死活的に重要である」と根拠づけた。

日本政府の、そうした措置に対し、諸外国はどう反応しているだろうか? まず米国については言うまでもない。なぜなら日本の軍改革は、日米安保条約を地域及びグローバルな諸条件において新たな脅威に適合させるための新たな規範的措置に盛り込まれているからだ。米政府は、安全保障上の負担の一部を同盟諸国に移したいと考えている。

今回の日本政府の措置に、最も大きな不満を持っているのは、何と言っても中国だ。楊 潔篪(よう けつち、ヤン・ジエチー)国務委員は「世界が、平和と発展、繁栄と強力、互恵の時代に入ろうと目指している時に、日本は軍事力を拡大し、防衛と安全保障領域における自分達の政策に著しい変更を持ち込んでいる」と批判した。また中国外務省の声明の中では「我々は、中国の主権と国益を脅威にさらし、また地域の平和と安全を破壊しないよう自重する事を日本に求める」と述べられている。ただここでは、中国が今年、国防費を10%、1442億ドルまで増やす決定を下した事を指摘しなくてはならない。一方日本も10年ぶりに防衛費を増やしたが、中国に比べれば本質的に少なく、4兆9800億円(417億ドル)に過ぎない。

さて次に北朝鮮だが、例によって日本政府の決定を、膨張主義的野望と呼んだ。「労働新聞」は「これが日本当局のずっと以前からの目的、つまり世界統治のための外国侵攻に向けた第一歩となる事は言うまでもない」と指摘した。ただ日本が自分達の防衛能力強化を決めた理由の一つは、北朝鮮の増大する核潜在力に他ならない。米国ジョン・ホプキンス大学付属アメリカ・コリア研究所の報告によれば「北朝鮮には、日本列島に到達可能な約1千の大陸間弾道ミサイルがあり、2020年までに同国は、およそ100の核弾頭を管理下に収める可能性がある」との事だ。

続いては、やはり日本の動きを不安を持って見守っている韓国の反応だが、今回は批判を控えた。韓国外務省スポークスマンは「日本は、事前に韓国と協議することなく、また韓国側の合意なく、朝鮮半島でのいかなる行動にも着手してはならない」というソウルの公式的立場を繰り返したにとどまった。専門家らは「こうした韓国の自制的反応は、おそらく日韓両政府が、安全保障領域での関係を整えようとしている事の反映だろう。そこには当然、米国の影響がある」と指摘している。

ここで付け加えたい事は、軍事関係における自分達の自主性を強化しながら、日本政府が同時に、インドやオーストラリア、ベトナム、フィリピンなどの国々との協力を含め、地域の安全保障システムへの参加を目指している事実だ。例えば今月初め、日本政府は、フィリピンと、彼らの領土内にある海軍基地利用に関する条約を結んだ。

日本国内で、政府の行動に抗議している人達は「新しく導入された変更は、日本国憲法の重要な諸原則に違反している」と見ている。抗議運動参加者の1人は「「安保関連法案が参議院で最終的に承認されれば、日本にとってラジカルな前進となる。日本は戦争のできる国になる」と指摘した。

ロシアの政治学者エフゲニイ・サタノフスキイ氏は、こうした状況を次のようにコメントしている―

「まず第一に我々が言うべき事は、問題は戦争にではなく、遠隔地にある国益を守る点にある、ということだ。これは本質的に別の問題だ。まず中国について言えば、原油やガス、有用鉱物が眠る海域や国境地帯をめぐる紛争が存在する。紛争や戦争は、規模の差はあるだろうが、グローバルなもの地域的なものも含め、やはりあるだろう。ただ日本は、昨日まで思われていたよりも、そうした紛争において、これまでよりはるかに積極的な役割を演じると思う。」

最後に、安保関連法案可決に対するロシアの反応を述べたい。ロシアは公式的には、問題の法案に対する態度を述べていない。しかし専門家らの意見では、ロシアを心配させているのは、日本の自衛隊の活動領域が拡大したという事よりもむしろ、他のファクターである。

ロシア極東研究所日本調査センターのヴァレーリイ・キスタノフ所長は、次のように見ている―

「我々にとって危険に思われるのは、日米の軍事同盟が強化され、脅威のリストにおいて、ロシアが日本にとって三番目に置かれている点だ。中でも一番大きな懸念は、極東におけるMD(対ミサイル防錆)システムの展開である。米国が欧州でMDシステムを拡大している事実を考慮すれば、このことは、米国との軍事戦略的対等性を低めている。」

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