19:26 2019年08月23日
日本はチェルノブイリの教訓を十分に学んでいない

日本はチェルノブイリの教訓を十分に学んでいない

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リュドミラ サーキャン
フクシマ=事故処理と大変動後の生活 (27)
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今年で福島の原子力発電所の事故から5年、チェルノブイリ原発事故から30年が経過した。福島第一原発事故は無論チェルノブイリの再発ではないが、ある種の続きではある。教訓は達成からだけでなく、悲劇からも導出される。しかし、チェルノブイリのすべての教訓が福島第一原発の事故処理の際に考慮されてはいない。

事故当時の2011年に首相だった菅直人氏は、2015年10月のキエフでの会議「チェルノブイリと福島での原発事故後、どのように世界は変わったか」で、次のように述べた。

「私はこの福島原発事故が起きるまでは日本も技術の高い国ですので原発事故は起こらないだろうと信じていた。チェルノブイリの事故については私も多くの日本人もニュースや報告書等で知っていた。しかし日本で福島原発事故が起きたときに、こういう事故は起きないと東電も私も政府機関も思ってたので、残念ながら事故の時にチェルノブイリの教訓を十分にいかすことができなかった。大変残念だ。たとえば子供にヨウ素剤を飲ませることも、チェルノブイリでも行われたと聞いているが、残念ながら適切な時期に指示をできず、せっかく各自自体にヨウ素剤が配られていたのに、飲ませることがほとんどできなかった。チェルノブイリの原発と福島の原発は型が違う。チェルノブイリは黒鉛型で福島は沸騰水型だ。たとえば鉄棺を作るということについても、日本ではまだそのような態勢がとられていない。今はむしろ水を入れ、水によって溶けた燃料を冷やすということ。そのように、構造が違うので、参考になる部分とならない部分とある。すべてを参考にはできない。しかし実際に事故が起きたことで、私は原発に対する考え方を180度変えた。つまり日本にとり、全日本人にとり、原発をなくすことがためになる。また、世界から原発をなくすことが、世界のためになる。そのように確信した。今回ウクライナを訪問し、チェルノブイリの近くへ行っていろいろ見、また説明を受けた。チェルノブイリ事故から29年が経つが、これから100年をかけて事故処理、つまり廃炉へ向けて作業をすすめると聞いた。これからさらに100年がかかるとしたら、これから生まれる人たちに、大きな危険と、経済的負担をかけることになる。改めて、将来に禍根を残すような原発はやめるべきだと強く思った。これからは再生可能エネルギーだと思う。太陽光を利用したエネルギーにシフトすべきだと思う。今地球上に降り注いでいる太陽のエネルギーは今人間が使っているエネルギー、つまり石炭や石油から作っているエネルギーの1万倍に達していると専門家は言っている。逆に言えば、降り注いでいる太陽のエネルギーの1万分の1を利用するすべを得れば、再生可能エネルギーだけで原発もなく、化石燃料も使わないで十分に必要なエネルギーを供給できる。また太陽エネルギーは他の国から買う必要がないため、すべての国がエネルギー自給することが可能である。これを選ぶことこそが望ましい道であるとわたくしは確信している」

事故5周年を前に行われた共同通信の調査によると、日本の県や市当局の約45%が原子力発電の利用に対する国の依存を減らすことを是としている。さらに21%が原子力エネルギーの完全拒否を主張し、より強硬な姿勢を示している。地方自治体や社会の主な関心事は、原発の安全面および、核廃棄物処理の問題。

福島県内に114700ある保管施設に廃棄物入りの袋が約10万袋保管されている。これらの袋の貯蔵寿命は3年であり、うちの一部は既に損傷または劣化している。この膨大な量の廃棄物は時に適切な保護なしで保管されている。2015年9月に台風「エタウ」により引き起こされた大雨で保管施設の一部が水没した。飯舘村の川河氾濫で、袋400袋、ならびに海岸に位置し、津波から保護されていない保管施設が洗い流された。これら廃棄物がどこに埋設されるのか。この問はまだ開かれている。福島県に隣接する12自治体当局間のくい違いだけでなく、市民からの抵抗で、大幅に最終処分施設の建設が遅れている。

同時に、チェルノブイリと福島県で、周辺での汚染レベルが低減され、人々は徐々に元のすみかに戻ることができている。しかし、一部の重度汚染地帯は、まだこれから数十年、もしかしたら数百年も、住むのに不適当となる。

 

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