00:26 2019年10月17日
馬毛島

馬毛島 穏やかな片隅の地、騒がしいゲームの渦中に

© 写真: Ministry of the Environment Government of Japan
日本
短縮 URL
筆者 :
0 73
でフォローする

鹿児島県にある馬毛島(まげしま)について、160億円で買収することを日本の防衛省が予定している。同島は今後、米日両国の部隊による共同訓練のための訓練場となる。

スプートニク日本

ここはかつて、まるで絵のように極めて美しい島だった。馬毛島は、鹿児島市から南へ115キロ、種子島から西へ12キロのところにある。以前は、うっそうとした森林に覆われ、動物による豊かな世界が広がっていた。だが、1980年代以降、この島に対しては自衛隊が関心を抱いている。自衛隊は過去に、大出力のレーダー設備や石油製品の貯蔵施設、放射性廃棄物の保管施設を同島に配置することを提案。これらの計画が実現されることはなかったが、島に向けられた関心は保たれてきた。

馬毛島は2007年までに、開発会社「タストン・エアポート」(旧・馬毛島開発)が完全に所有するようになった。この時までのかなり以前に、地元の島民は既に島を去っていた。同社は2006~2012年、島にあった森林170ヘクタールを伐採し(2002年の時点で、島には441ヘクタールの森林があった)、2本の巨大な滑走路を建設した。これらの滑走路は島を南から北へ、また西から東へ、岸から岸まで横断している。森林は、島の南部ではほとんど完全に伐採され、北部では幅の広い林道が敷設されている。

タストン・エアポートは恐らく、自衛隊の利益のために活動していたのだろう。無人島における巨大な飛行場には、軍事目的の用途しかあり得ない。実際、2009年には、沖縄の普天間基地を馬毛島に移転させることが想定された。だが、米側は何らかの理由で満足せず、この提案を拒否した。

今度は、島を米日共同訓練のための訓練場に変貌させるとの決定が承認された。まず第1に念頭に置かれているのは、パラシュート降下あるいは航空機の強行着陸によって地上に部隊を展開させる空挺作戦の訓練だ。沖縄におけるこのような訓練の実施は、あまりにも数多くの抗議に直面するようになっているため、この目的のためには無人島の方がはるかに良い。

馬毛島には現在、既に準備が終わった着陸場が複数ある。比較的最近の複数の衛星写真から判断すると、島にある2本の滑走路は完成しておらず、さらにコンクリートも打たれていないようだ。また、航空部隊の基地のインフラも建設が終わっていない。今のところ、この島で航空部隊の基地を設営することは不可能だ。だが、そのような未舗装滑走路は、ヘリコプターや、ティルトローター機であるオスプレイの着陸用には利用可能だ。

鹿児島や沖縄、さらに米海軍基地が設置されている佐世保に近い位置に馬毛島があることで、海上部隊や海兵隊の参加を伴う訓練を実施していくことが可能になっている。同島に訓練場があれば、空爆や空挺部隊の降下、海兵隊の上陸、地上に展開した部隊への航空・海上部隊による支援、島の奥深くへの攻勢の展開、兵站任務の訓練という、地上に部隊を展開させる大規模な作戦の全要素を訓練することができるのだ。馬毛島周辺の水域では、空母が参加する大規模な海上軍事訓練を実施することも可能だ。

この際に除外してはならないのは、馬毛島が数年後に航空部隊の大規模な基地になるかもしれないということだ。2本の滑走路は完成する可能性があり、そうなると馬毛島は、地域全体で最大規模の航空部隊基地の1つに変貌することになる。そのような基地は、あらゆるタイプの飛行機を受け入れることができるだろうし、数百機の飛行機が同時に拠点を置くことができ、さらに東シナ海上空における日米両国のプレゼンスを急激に強化することになる。もし、この飛行場にF35の全ての派生型が拠点を置くことになれば、それらの戦闘行動半径は上海に達する。

今のところ、航空部隊基地の完成に関する決定は、見たところではまだ下されていないようだ。だが、建設を完了させる根本的な可能性は残っている。

タグ
軍事, 自衛隊, 日米関係, アメリカ軍, 日本, 米国
コメント・ガイドディスカッション
Facebook経由でコメントスプートニク経由でコメント
  • コメント