日本が保有するのにもっとも適した潜水艦とは?

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日本が保有するのにもっとも適した潜水艦とは? - Sputnik 日本, 1920, 05.10.2021
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自由民主党総裁選を前に、日本では、日本も原子力潜水艦を保有すべきであるという問題が提起され、いくらかの議論を呼んだ。しかしここで沸き起こるのは、日本は、専守防衛という基本理念を貫きながら、原子力潜水艦を保有することが可能なのかということである。そして日本が保有しうる原子力潜水艦とはどのようなものなのだろうか?

主な利点

原子力潜水艦は、最新鋭のディーゼル潜水艦と比べ、大きな戦略的な利点がある。それは原子力潜水艦は、原子力が続く限り(通常70〜75日)、潜航が可能だということである。1960年に米国の原子力潜水艦「トライトン」は、航海者マゼランの辿ったルートで、一度も浮上することなく、世界一周を成し遂げた。
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海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦いずもはどのような目的に適しているのか?
潜水艦は水中では安全である。というのも、潜水艦は発見されにくく、また船体は水によって攻撃から守られている。潜水艦を沈没させるためには、非常に正確にかつ深く、ミサイルまたは魚雷を 命中させなければならない。一方で、浮上した状態の潜水艦は、レーダーで容易に発見され、あらゆる種類の艦砲による攻撃を受けやすい。40mm機関砲による連射でさえも、浮上した潜水艦には危険である。潜航・浮上のためのシステムの一部でも損傷すれば、潜水艦は潜航できなくなり、捉えられてしまうのである。
原子力潜水艦は常時、潜水できる一方で、ディーゼル潜水艦はバッテリー(蓄電池)を充電するために海面に浮上しなければならない。最新のディーゼル潜水艦は浅深度であれば、シュノーケルを海面に突き出して空気を取り入れ、エンジンを動かし、潜航することができるものの、その場合、騒音が発生し、水中音響センサーは周囲の音を拾うことができなくなる。加えて、潜水艦が浅深度に位置するときには航空機からよく見える状態となる。
つまり、原子力潜水艦はディーゼル潜水艦に比べ、発見されにくく、攻撃を受けにくいということになる。これは戦略的な価値を著しく向上させるものである。
さらに、原子力潜水艦は高速で移動することが可能である。ソ連時代、661号計画で建造された原潜K–222には短射程・潜水艦発射型の対艦ミサイル「アメチスト」が搭載されていたが、K–222のもっとも重要な特長はその速度であった。1971年3月、K–222は水中速度、時速82.7キロを出し、世界記録を打ち立てた。このような原潜は、高速で移動する敵の艦船を追跡、接近し、魚雷あるいはミサイル発射のために有利な位置につくことができる。

2隻の原子力潜水艦を保有するのが望ましい

日本の防衛上の課題を考慮し、また中国の艦隊に対抗することを考え、我々が日本の海上自衛隊が保有すべき原子力潜水艦のタイプを選ぶとすれば、ロシアの885型原子力潜水艦「ヤーセン」あるいは米国のSNNシーウルフ級原子力潜水艦となるだろう。つまり、水中排水量9,000〜10,000トン、原子炉1つ、魚雷発射管、垂直型のミサイル発射装置を備え、100基までの魚雷または対艦巡航ミサイルを搭載できるものである。
海上自衛隊の艦隊の構成、またそれに与えられた任務を考慮すれば、少なくとも2隻の原子力潜水艦が必要である。そしてその使用法には2つの方法が考えられる。1つは、海上と基地に1隻ずつ配備するというもの。そしてもう1つは、2隻を2つの空母グループに組み入れるというものである。
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