2010.05.30 , 18:25

天安沈没 ロシア「安保理入りには100%の証拠必要」

天安沈没 ロシア「安保理入りには100%の証拠必要」

 ロシアのボロダフキン外務次官は29日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のキム・ヨンジェ駐露大使とモスクワで会談し、朝鮮半島情勢のさらなる悪化を阻止する必要性を確認。韓国艦沈没後の危機的状況を打開するため協議を続けていくことで一致した。

 半島情勢に緊張が走ったのは3月26日、韓国の哨戒艦「天安(チョナン)」号が黄海で原因不明の沈没を遂げた。46人が死亡した惨劇の真相究明にあたるため、韓国軍と各国の専門家による軍民調査団が結成され、今月に入り原因が北朝鮮の地雷であったとする報告書を発表した。文書は国際的なレベルで正式な地位を得たものではない。北は関与を否定し、情報がでっちあげだと批判した。

 一方、韓国のイ・ミョンバク大統領は北の関与を前提に通商関係の全面的な停止を宣言。米国との対潜合同演習実施も準備するなど圧力をかけ始めている。また、国連安保理での制裁協議を提起する意向だ。対する北は韓国の攻撃に対して厳しい報復に出る構えを示しており、半島では紛争が激化するリスクが高まっている。

 ロシアのメドヴェージェフ大統領は26日の特別声明で、事件資料を詳細に検証する自国の専門家を派遣すると明らかにした。週明けにも出発する予定だ。「沈没の真の原因を把握し、誰が責任をとるべきか明らかにするため」としている。

 こうした対応が何を意味するのか。極東研究所・朝鮮研究センターのコンスタンチン・アスモロフ研究員は、ロシア政府が韓国側の提出した結果を完全には信用していないと語る。

「資料をさらに検証する必要がある。ながらく海底の泥の中に沈んでいた魚雷がどこからか発見され、そこには現代型の塗料で韓国式に番号が付けられていた。しかし後になって北朝鮮が関与した疑いようもない証拠が認められたという。かなりおかしなことだ。発表された公式結果には奇妙なところが数多くある。とはいえ、あくまで個別に検討すべきものだろう。

 今回ロシア政府が独自の調査団を韓国に送ったのは、韓国側が提示する説が現実に即したものなのか、いまいち確信が持てていないことの現れだ。」

 リャキン=フロロフ外務次官は先日の声明で、北の関与を100%断定できる証拠がない限り、安保理への提起は支持できないと語った。韓国入りする専門家たちは十分な証拠を得られるのかもしれない。ただその場合でも、国際社会が適切とみなす措置のみを講じるべきだろう。ロシアは全ての紛争参加者に対し、地域全体の安定と安全を実現するため自制を促している。

  •  
    シェアする