2010.06.14 , 13:46

キルギス騒乱 露専門家「臨時政府は対処できない」

キルギス騒乱 露専門家「臨時政府は対処できない」

 週末以降続いている中央アジア・キルギスの政情不安で、ロシア軍は13日、首都ビシケク近郊のカントにある駐留基地へ追加部隊を派遣した。

 到着したのは空挺部隊の150人。クーデター後の4月8日に投入された部隊と合わせて、この2カ月で300人が増員された形となる。政情不安定な同国に駐留する軍人の家族の安全を確保し、基地施設の警備を強化するのが目的。

 専門家はキルギスの現状について、警戒感を露わにする。11日未明に始まったキルギス人とウズベク人の衝突の結果、住宅や商店、市場が焼き払われた。騒ぎは翌日までに隣接するジャラル・アバド州にも波及し、沈静化に至っていない。犠牲者は公式発表だけで118人、負傷者も1500人あまりに達した。南部に投入されている軍・治安部隊だけでは任務遂行は難しいとして、50歳以下の予備役の動員がかけられている。

 こうした状況にあって、キルギス社会はロシアへの期待を強めている。非政府組織、臨時政府とも平和維持部隊の派遣を求めた。旧ソ連圏研究センターのアレクセイ・ヴラソフ所長に話を伺った。

「現在、ロシアは唯一の支援者として捉えられている。ただ、その支援というのはけが人を避難させたり、人道危機を防いだりということではない。キルギスを正常で文明的な発展への道に運んでくれる唯一のパワーだと捉えられている。臨時政府では完全に対処できないという認識が生まれている。」

 ただロシア政府はいまのところ部隊派遣の条件は揃っていないとみている。多数の犠牲者が出ているものの、今回の事件は侵略ではなく内紛だ。メドヴェージェフ大統領は、保健社会発展省ならびに非常事態省に対し、人道・医療支援の実施を命じるにとどめた。すでに非常事態省の特別機が現地へ医療品を送り、重傷のけが人をモスクワへ搬送した。14日には人道物資を積んだ輸送機3機が現地に到着している。

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