2011.07.28 , 13:07

世界通貨の座を譲り渡す米ドル

世界通貨の座を譲り渡す米ドル

 世界の経済大国であった米国も、そろそろ終焉に近づいている。ロシア銀行協会のガレギン・トスニャン代表は、米国が技術上のデフォルトを宣言するか否かに関わらず、「ドルは主役の座から退けられる」だろうと予測している。

 米国がデフォルト寸前の状態にある。米国の政治家らがドル高の上限について意見をすり合わせることができなければ、数日後には、史上かつてない悲観的なシナリオが現実のものとなりうる。そうなれば、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が述べたように、世界経済全体がその影響を被らざるを得ない。

 これに関するロシア銀行協会のトスニャン代表の見解をご紹介しよう。

「金融市場は何らかの不可抗力の事態を間逃れないだろう。こんにちの米国の状況は完全に政治闘争を呈している。同時にここ数年を振り返れば、民主党も共和党も幾度も国家債権を拡大することで合意してきた。このため、ドルは何度も引き上げられてきたのだ。ただし、こんなことは際限なく繰り返されていいわけはない。」

 こういった状況ではあるものの、それでもトスニャン代表は米国が技術的にデフォルトを起こす可能性は低いと考えている。ただし状況がどちらにころんでも、米国が世界の金融、経済を独占する状態が終わりに近づいていることについては、トスニャン代表は疑いを持っていない。

「デフォルトは起きないとは思うが、そうした事態にならずとも米ドルの影響はしだいにゼロへと近づいていくだろう。米国は世界で唯一、まわりに自国に好都合な条件を押し付けてきたが、これから先はそういったことは許されなくなるだろう。」

 

 ロシア議会下院国家会議、経済政策・企業活動委員会のエヴゲーニー・フョードロフ委員長も、これと同様の意見を持っている。フョードロフ委員長は「ロシアの声」からのインタビューに対し、米国は結果的に世界最大の経済国のタイトルを失うだろうと答えている。

「米国は売買のバランスも買うほうが大きく、国家支出も税収を常に上回っている。つまり常に借り入れを行う状態が続いている。米国は政治的独占状態があって、経済的にも独占状態を続けてくることができた。事実上、デフォルトは、米国が身分不相応な暮らしをしていた結果として起こっている。つまり、政治的影響力を行使しながら、彼らは世界のほかの民族から吸い上げて暮らしているということだ。地球の人口の4.5%に過ぎない市民が世界全体のGDP(国民総生産)の4割を消費している。米国人がこの借金をいつの日か返すとは思えない」

 現在、世界中が米国の状態を見守っている。08年の世界金融危機をはるかに上回る新たな危機の波を警告する専門家も多い。

 注目に値するのは、今の世界経済にそうした「揺れ」が必要だとするアナリストらもいるということだろう。これを利用してあらなた経済モデルへの移行が可能になるとする説だ。一極化した世界を多極化へと移行させる提案はロシアを初め多くの国が行ってきた。ここから一国だけが統制するのではない、国際社会がコントロールする新たな準備通貨、地域通貨が生まれてくる。

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