2012.02. 6 , 12:11

2月6日は演劇「壬生のオオカミ」の誕生日です。この作品の初演はちょうど2年前にニージニー・ノブゴロドで行われた。

  ニージニー・ノブゴロドは、ヴォルガ川とオカ川が合流する場所に位置する。壬生は、前世紀の中ごろまで日本の都だった京都の郊外に位置地する場所となっている。まさにこの京都で、江戸幕府と尊皇派が激しい戦いを繰り広げた。新選組は将軍を守護するために集められた若い侍たちだった。新選組は「壬生の狼」との別名を取っていた。

 遠い日本の遠い昔の出来事にロシアの若者が関心を持つのは不思議なことだ。皮膚科医のアラ・グリゴリエワさんと技師のエレーナ・ペレヴェルタイロさんは、ヘリガ・エン・ケンチとエニドという名前のもと、演奏家と若者向けフェスティバルのオーガナイザーを務め、個性的な音楽劇を作り上げた。この音楽劇は、日本の宝塚と芸者と舞妓の舞台をもとにして作られている。このチャンバラを含む音楽劇は、ロシア国内の多くの都市で大成功を収めた。インターネットにはこの劇のファンサイトまで作成された。

   このビデオの提供者はヘリガ・エン・ケンチ 

「壬生の狼」公演2周年を記念して、ヘリガ・エン・ケンチさんは「ロシアの声」の記者、ヴェロニカ・クリモワのインタビューに答えた。

 「ヘリガさん、このお芝居の特徴はなんだと思いますか?」

 「『壬生の狼』は音楽劇です。上演時間は2時間で、19世紀の幕末の日本でおきた史実に基づいて構成されています。この劇のもっとも重要なテーマは「誠」です。すべての登場人物には、自分の誠と正義の考えがあります。でも、彼らは遅から早かれ、運命を決する決断を下し、難しい選択をしなければなりません。ある者は、大義のために自身の誠を曲げ、ある者はその反対に、死を選びます。そのどちらが正しいのかは、観客が決めることです。

 私たちの演劇では、女性がすべての役を演じます。これは、ロシアの演劇の伝統には背きますが、日本の演劇からヒントを得た演出です。

 この劇の演出は、京都の「都踊り」から直接的な影響を受けています。幕が開くと、女性の衣装を身に着けた俳優が、劇の歴史的背景を物語り、これから上演される場面について観客に語ります。そして、その間に、女性の衣装を着た何人かの俳優は、様式的な男性の衣装に着替え、物語の始まりが様式的に示されます。」

 「観客の『壬生の狼』への反応はいかがですか?」

 「この劇は2年間上演されていますが、その間にファンクラブができて、ファンたちは毎回の上演に通い、感想を書き、似顔絵を描き、劇のモチーフをもとにしたヴィデオクリップを作成してくれています。毎年私たちは大晦日に観客の創作作品のコンクールを行っています。もちろん私たちは自分たちがプロの劇団だと名乗るつもりはありませんし、まだまだ練習を積まなければならないと思っていますが、今既に達成していることを誇りに思っています。

 今日、ロシアには幕末に関心を持つ人が増えており、情報を探したり、翻訳を発表したりしています。そして、それらの人々の多くは、ミュージカル「壬生の狼」を観てから幕末に関心を持ったと話しています。」

 「坂本竜馬に関する演劇を準備中だと伺いましたが。」

 「3月10日にモスクワで、幕末を特集したフェスティバルを開催することを計画中です。このフェスティバルでは、幕末のファンが出会い、交流し、知識を交換し、舞台に出演することが可能です。私たちのミュージカル「壬生の狼」も上演予定ですし、新作品も公開に向けて現在準備中です。新作品は「袖の中の龍」と名付けられており、幕末の志士、坂本竜馬に捧げられています。

 「壬生の狼」の初演の時から、観客から、「どうして坂本竜馬はでてこないんですか?」との質問がありました。そうしたとき、私たちは、坂本竜馬は日本を大きく変えた人物なので、別個の作品で取り上げますと答えてきました。私たちの観客はとうとうこの偉大な人物を舞台で見ることができるのです。

 「袖の中の狼」では、「壬生の狼」とは異なる演出方法が採られます。この新しい作品を私たちの常連の観客が気に入ってくれて、さらに新しい観客が集まることを期待しています。」

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