2012.03. 3 , 15:42

アレクサンドル・ロトチェンコ:デザインと広告の父

アレクサンドル・ロトチェンコ:デザインと広告の父

 東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーでは2日、「ロトチェンコ 彗星のごとく、ロシア・アヴァンギャルドの寵児」が開幕した。同展覧会では、ロトチェンコが独創的な写真家ならびに優れたデザイナーとしても紹介されている。

 構成主義の代表者ロトチェンコは、芸術によって「未来を創造」できると確信していた。ロトチェンコは1920年代に多くの発見をし、独自の手法を生み出した。「ロトチェンコ遠近法」、「ロトチェンコ短縮法」という用語は、現代の写真家にとって馴染みのものとなっている。

 ロトチェンコははじめ、写真ではなく絵画を学んだ。だがそれは風景画や静物画ではなく、平面や色彩の研究だった。ロトチェンコの抽象的な構成は密度が濃く、空間を「征服」した。絵画雑誌には、ロトチェンコが考案した未来都市の実験的な空間プロジェクトなどが掲載されるようになった。

 ロトチェンコはしだいに実生活で使われる物のデザインへ移行し、「生産的芸術」に取り組むと発表した。ロトチェンコは、モスクワ美術・技術大学で10年間教鞭をとり、特に日常生活のための多機能的な品物のデザインや、公共施設の設計を中心に、この芸術について伝えた。ロトチェンコは、装飾ではなく構成上の特性で表現することに成功した。芸術学者のゴリャチェワ氏はロトチェンコについて、インテリアにおいては真の革命家だったと述べ、次のように語っている。

 「ロトチェンコのインテリアは、あらゆる建物や部屋に調和することができた。なぜならそられは、特に機能的だったからだ。新たな美学もそこにつくられた。品物は簡素かつ機能的で、多目的のために使用することができた。私たちがそれを理解できるか否かにかかわらず、構成主義の美学は、取り巻く世界や21世紀の現代美学における私たちの認識を確立した。こんにち私たちが簡素だと感じるものには、便利かつ機能的で生活に役に立つものが根底にある。」

  ロトチェンコにとっては全てが芸術だった。お菓子の包み紙、ラベル、クッキーの箱などは一見些細なようだが、ロトチェンコは大きな芸術的課題として取り組んだ。そして彼の手によって創り出されたものは書籍の表紙から広告まで、それが彼の作品であるということが明確に分かった。ロトチェンコのグラフィック・コラージュはソ連最初の広告ポスターの一つとなった。  

 東京の展覧会ではこれら全てのジャンルが展示されている。ロトチェンコの孫にあたるアレクサンドル・ラヴレンチェフ氏が収蔵する作品157点が紹介されている。ロトチェンコは時代を超えた芸術家だった。彼のアイデアは現在、現代のデザイナーたちのロゴやシンボル、コラージュやモンタージュなどで「芽生え」ている。

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