2012.04.20 , 14:26

原油漏れ事故から2年、メキシコ湾の今は

原油漏れ事故から2年、メキシコ湾の今は

   メキシコ湾で原油漏れ事故を起こした英国のBPが米国に支払った補償額は80億ドルに上った。あれから2年がたった今も環境に残された傷跡は深く、これが米国史上最大の技術災害であったことがよくわかる。

   事故が起きたのは10年4月20日。BPの石油採掘施設であるディープウォーター・ホライズンでは11人もの犠牲者が出、多量の原油が漏れだした。

   事故の後、BPはただちにトラスト基金を創設し、200億ドルを投入した。国際条約に従い支払われた補償金はそのトラスト基金から出されており、今年12年の3月に完済された。BPを告訴した委員会には10万人以上の個人、法人が名を連ねているが、中には建物の所有者、ホテル経営者など観光施設の関連者が入っている。このほか漁民らにも補償金が支払われた。また1万6000人が健康に被害を受けたとして補償を要求している。巨額の補償金のかなりの部分を占めたのはBPを弁護した弁護士費用で、6億ドルにも上った。

   補償金の支払いは必要だが、こうした大規模な災害からは二度をこうした事態を繰り返すことのないよう、教訓を得ねばならないが、事故自体は完全になくすことはできない。世界は石油を必要としており、これを得るためには大きなリスクを犯して採掘する必要があるからだ。国家エネルギー安全保障基金のコンスタンチン・シモノフ会長はこれについて次のように語っている。

   「これは世界全体で石油産業部門がどのように発達しているかを物語るものだ。この部門に携わる以上、リスクは避けるわけにはいかず、そのリスクはより大きい。しかも大変なのは、事故が環境にも大きな影響を及ぼすということだ。石油産業と環境保護者の関心はどうしても対立してしまう。産業側はプロジェクトの拡大を速めようとするが、エコロジストらは環境に及ぼすリスクをまず第1に考えるべきだと主張するからだ。」

   実際、エコロジストは常にデモを行っているが、メキシコ湾の事故の後は特に石油企業の活動をさらに厳しく監視する必要を強く訴えた。これについてモスクワ大学地質学科の専門家、ダニーラ・バリュコフ氏は次のように語っている。

   「事故から私たちが学ぶべきことは、石油採掘のあらゆる段階に厳しいコントロールを行わねばならないということだろう。プレスでは500万バレルの原油が漏れ出したと書かれた。これからすると事故の影響はこの先も長くメキシコ湾に残るだろうと思われる。」

   事故を起こしたBP側もいまだに財政的な打撃を受け続けている。裁判もまだまだ続いており、事故の被害を受けたミシシッピ州政府のみならず米国政府も告訴を行っている。

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