2012.05.29 , 14:36

ロシアと日本 月への競走

ロシアと日本 月への競走

ロシア連邦宇宙庁は月面に研究基地を創設するために有人飛行を予定している。これはワシントンで22日から24日にかけて行われている国際宇宙研究会議で明らかになった。ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)のウラジーミル・ポポフキン長官は、月面飛行を担う宇宙飛行士の選考が始まっているとして次のように語っている。

   -宇宙飛行士の選考はオープンなもので、健康状態がよく、技術教育、医療教育をうけたロシア市民なら誰でも参加することができます。今日、学術は月を利用できるほどにまで発達しています。ですから、月や火星への有人プログラム、無人プログラムを検討しているのです。月の力を借りて出来ることにはたくさんの興味深いものがあります。太陽の観測もそのひとつです。私は2020年までに月に人間が滞在するようになると考えています。しかしこれはかつて宇宙が政治に利用された時代とは違って、国家の威信とは関係なく行われるのです。

   ポポフキン長官によれば、ロシアは米連邦航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙庁との間で、月面に基地を建設するか、月を周回する衛星を打ち上げるかという2つの計画を議論しているという。ポポフキン長官は、「戦略課題となるのは、月を地球文明に取り入れるという長期計画です。このためには有人、無人に関わらず、宇宙学のすべてが動員されなくてはなりません。それは他の技術分野にとっても興味深く、必要なものとなるでしょう。」と話している。

   一方、この同じ会議で日本のJAXAは、月への有人飛行を計画していることを表明した。JAXAのヤマウラ・ユウイチ氏は、人類の宇宙開発にとっての次の課題は月だ、との考えを示している。日本とロシアは月への飛行において競争することになるのか、それとも協力することになるのだろうか。

   現在、ロスコスモスとJAXAはISS(国際宇宙ステーション)プロジェクトで協力しており、日本の研究モジュール「キボウ」も存在している。これは宇宙、物理、生物、医療などの研究を目的とした最大のモジュールだ。モスクワ郊外の宇宙飛行士養成センターでは、野口飛行士と若田飛行士が訓練を行っている。二人ともすでに宇宙滞在の経験があり、特に若田さんは2013年末に打上げが予定されている第39滞在チームの団長を務めることになっている。また2013年には水星調査の合同プロジェクトが始まる。

   一方米国は興味深い文書を発表した。これは月に到着したほかの国の宇宙飛行士が、アポロ11号の着陸地点から75メートル以内には近づいてはいけないというものだ。それは今のところ拘束力はない、提言としての文書だが、人類初の月面着陸という歴史遺産を守るためだとされている。

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