2012.08.16 , 12:28

見えない潜水艦

見えない潜水艦

    国際法に反することなく、ロシアの潜水艦が訓練の枠内で、提起された課題を米国沿岸で成功裏に遂行した。長距離巡航ミサイルを搭載したこの潜水艦は、ひと月、メキシコ湾水域を航行していたが、発見されたのは、潜水艦が水域を去った時だった。これは米国の政治ニュース専門サイト「Washington Free Beacon」が、匿名の米国防総省高官の話としてつたえたもの。

   ロシアの多目的潜水艦プロジェクト971「シシューカ(カマスの意味B)」(NATOの分類では「シャーク(サメ)」は、今年の6月から7月にかけて数週間、米国沿岸をパトロールした。この潜水艦は、米国の海岸のすぐ近くを航行したが、米国の衛星もソナー・センサーも、これをとらえる事は出来なかった。彼らが潜水艦の存在にやっと気が付いたのは、「シシューカ(カマス)」がその「尾っぽ」を彼らに見せた時だった。

 このようにして、ロシアの軍人達は、国際法と他国の主権を侵害せずに、一度にいくつかの戦略的・戦術的課題を解決したのだった。まず第一に、乗組員は訓練課題を成功裏に遂行した。第二に、この海域での米国の潜水艦及び艦船の移動データを収集した。それ以外に、ロシアは米国に、絶対にしっかりした安全保障システムなどない事をはっきりと示した。

   VOR記者は、社会政治研究センターのウラジーミル・エフセーエフ所長にマイクを向け、話を聞いた―

    「今回の出来事は、米国に対し、世界中に自分達の対外政策を力で押しつける必要はない事を示す明確な教訓です。なぜなら、米国以外の国も、一定の軍事的可能性を持っているからです。もし米国が、武力でのみ自国の利益を実現しようとするならば、それはどのような場合であれ、ブーメランのように作用します。米国は、自分達の弱さを理解しなくてはなりません。対ミサイル防衛システムは、低空でやって来る巡航ミサイルに対し、ほとんど効果がないからです。

   一方原子力潜水艦は、巡航ミサイルを搭載していますが、それらを、弾道ミサイル撃退用に使われる通常手段で見つけ出す事はできません。この事は、対ミサイル防衛システムに理想的なものはない事を示しています。

   そうした観点から、国際政治における寛容さに通じる米国の防衛力の不死身さといった神話自体が、崩れ去ろうとしているのです。」

   今のところ、米国当局や軍関係者からの公式のコメントは届いていない。しかし、情報が偶然「漏れる」事など恐らくありえない。政治・軍事分析研究所のエキスパート、アレクサンドル・フラムチヒン氏は、次のように見ている―

   「国防総省は『情報漏えい』によって、軍事費を増やすよう議会を説得しようとしているのでしょう。今回の出来事に関するあらゆる情報が、予算獲得の為である事を私は疑っていません。なぜなら、現在米国の軍事予算は、大幅に削減されつつあるからです。今回の『ロシアの見えない潜水艦』に関する騒ぎは、海軍予算を削減させないようなされたものでしょう。」

潜水艦「シシューカB」は、ロシア海軍の多目的潜水艦の基本タイプであり、ステルス度が高いのが特徴で、全部で15隻生産され、そのうち1隻はインドに売却された。

 

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