2013.04. 2 , 17:05

日本、モンゴルの「第三の隣人」に

日本、モンゴルの「第三の隣人」に

日曜終了した安倍晋三首相のウランバートル訪問は、中国をめぐる状況や関係における、新たな時代の幕開けを告げるものとなるかもしれない。首相のウランバートル訪問を発案したのは、安倍氏の首相第一期において官房長官を務めた塩崎恭久氏であるという。氏は現在、自民党所属の衆議院議員。氏は、中国とロシアの間に位置するモンゴルの戦略的重要性を強調した。訪問すこし前の3月なかば、氏はウランバートルをたずね、モンゴル政府への首相親書をとどけた。

   ノロブ・アルタンホヤグ首相との首脳会談の後に行われた総括記者会見で、安倍首相は、「自由、民主主義、法の支配、基本的人権など、共通の価値観を持っている国々との関係を発展させていくことは日本にとって重要である」と強調した。識者の一部は、これは中国を念頭に置いた発言だ、とみなしている。中国には、そうした「共通の価値観」がない、と。

   首相はさらに、日本とモンゴルの関係が将来的に発展していくことが日本・モンゴル・米国の三ヶ国フォーマットの協力関係の重要な一部となることへの期待を示した。このことがまたひとつ、中国外務省に近い情報筋に、「安倍氏による今回のモンゴル訪問は、<反中国>というコンテクストに位置づけられるものなのではないか」と見なす根拠を与える。

   モスクワ国際関係大学国際研究所のアンドレイ・イワノフ氏によれば、今、日本とモンゴルの関係を新たなレベルに引き上げるための好適な環境が整っている。

   ―モンゴルでは、「中国はモンゴルの天然資源からあまりに多くの割合を自身の利益にしている」という確信が形成されている。しかも、中国その他の外資系資源採掘企業の活動がモンゴルの自然環境に深刻なダメージを与えている。安倍氏は、モンゴルに自然環境浄化のための技術を輸出することを約束した。そのかわりに、日本は世界最大の石炭産地のひとつでの採掘権を獲得した。さらに、日本は、モンゴルにおいてレアメタルその他の鉱物資源を採掘する意図も持っている。

   「日本の技術とモンゴルの資源」の交換は、東京とウランバートルを緊密なパートナーとし、モンゴルにおける中国の影響を低減させることになるかもしれない。

   一部の中国専門家は、こうした展望を真剣に見ている。中国人民大学のシー・イフン教授は、安倍氏のモンゴル訪問は、アジア諸国との関係をないがしろにしがちな中国外交の弱点をついた、と見ている。

   しかし、安倍氏のモンゴル訪問がアンチ中国という内幕を露見させないよう、巧妙なはからいがなされた。安部首相の総括会見では、モンゴルとの関係発展が第三国にダメージを与えるということはない、との強調がなされた。それでも、訪問は「目覚まし」の役を果たす。中国を眠りからさます目覚ましである。おそらく「アジアの覇者」になった夢が覚まされたに違いない。

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