2013.04.29 , 18:54

プーチン大統領と安倍首相は2014年を「日ロ武道交流年」とすると決定した

プーチン大統領と安倍首相は2014年を「日ロ武道交流年」とすると決定した

モスクワのクレムリンで露日首脳会談が行われた。プーチン大統領と安倍首相の会談会場となったのは、クレムリン大宮殿の緑の客間。会談には、露日貿易経済政府間委員会のロシア側議長としてロシアのシュワロフ第一副首相とウシャコフ大統領補佐官も参加した。 プーチン大統領と安倍首相は、両国の代表団が参加する話し合いの議題について協議したほか、一連の文書への署名が行われた後、共同記者会見も開かれた。

   プーチン大統領と安倍首相は、2国間の平和条約締結に関する交渉を進めていくことで合意した。会談の総括共同声明によれば、両国は「交渉を通じて立場の隔たりを克服し、平和条約を締結する、という決意を表明した」。

   両国首脳は、第2次世界大戦終結67年が経ったいまも平和条約が締結されていない現状を「正常でない」と見なす立場を共有した。

   両国首脳は、現在結ばれている条約や合意を基礎にして平和条約を締結するべく、交渉を進めていくことで合意した。「現在結ばれている条約や合意」の中には、2003年にロシア大統領・日本首相の間に結ばれた露日行動計画も含まれる。

   両国首脳は平和条約問題解決のための互いに受け入れ可能な選択肢の考案に両国の外務省が共同で取り組むよう指令を出すことで合意した。外務省は選択肢を考案した後、それを首脳の決定に委ねる。

   平和条約交渉は事実上、2001年以降停止していた。

   ロシアのヴネシュエコノムバンク(対外経済銀行、VEB)、ロシア直接投資基金(RDIF)と日本国際協力銀行(JBIC)は露日投資プラットフォームの創設に関する共同覚書に調印した。日本の安倍晋三首相のモスクワ訪問(28日から30日)の枠内で行われた交渉の成果である。RDIFが発表した。

   RDIFとJBICの新メカニズムの枠内で、それぞれが5億ドルを出し合う新たなプラットフォームが作られる。VEBはプロジェクトの実現および新たな金融商品の開発のために必要な融資の可能性を検討する。その目的は投資の拡大である。

   VEBによるこの提案の枠内で、RDIFおよびJBICは、2国間協力における様々なプロジェクトに投資を行う構えである。たとえば、ロシア極東および東シベリアにおけるプロジェクト、インフラ整備、最新テクノロジー、健康、代替エネルギーといった分野が予定される。

   ロシア極東および東シベリアの発展は、ロシアだけでなく、近隣諸国にとっても有益である。VEBのウラジーミル・ドミートリエフ代表が指摘したところによれば、同地方には巨大な輸送ポテンシャルがある。

   日本の安倍首相は露日首脳会談後の記者会見で、「平和条約問題に関し、露日間には相当に大きな隔たりが残っている。この問題を飛躍的に前進させるための交渉を行っていく」と述べた。

   安倍首相によれば、意見の相違を克服するためには、首脳が相互信頼を深めることが必要である。プーチン・安倍間には信頼関係が構築された。「この問題は、リーダーの決意なくして解決できない」と首相は強調した。

   一方のプーチン大統領は、「ここ数年、平和条約交渉は事実上停滞していた」と指摘。「29日のモスクワ会談では、この問題に関し露日双方がコンタクトを行っていくことで合意が得られた」と強調した。

   「67年や68年の間解決できなかった問題が、明日にも解決できる、とは言わない。しかし、それでも、両国にとって困難かつ重要なこの問題へ、取り組みを続けていこう」と大統領。

   露日首脳会談後に発表された共同声明の中で、プーチン大統領と安倍首相は、シリアの「深刻な人道危機」に深い憂慮を示した。

   両国首脳はシリアの主権の独立性、領土の一体性・完全性への原則的な支持を表明した。また両国首脳は、シリアにおける暴力の停止、人権侵害の停止のために、国際社会が力を合わせるよう、呼びかけた。ならびに、ジュネーヴ・コミュニケに応じ、バシャール・アサド大統領以下シリア政府と反政府諸勢力が対話を通じて問題を解決できるよう、政治的な探求が為されねばならない、と訴えた。

   イランについても言及された。イランは自国の核開発プログラムが国際的信用を取り戻せるよう「深刻に努力」しなければならない、とされた。

   中東和平問題についても言及がなされた。両国首脳はイスラエル・パレスチナ間の直接対話が停止されていることに深い憂慮を表した。両者は一方的な振る舞いを止め、互いに歩み寄りの姿勢を見せ、対話プロセスを再開しなければならない。共同声明には以上のように記された。

   露日首脳会談後に発表された共同声明の中で、露日がエネルギー部門の強力を進めていくことが述べられた。石油・ガス分野の協力が拡大される。

   両国首脳は「東シベリア―太平洋」パイプライン敷設が完了したことを歓迎した。石油・ガス分野における2国間協力を、相互利益に基づいて拡大させることが重要である。   たとえば東シベリア、極東における協力の拡大が見込まれる。エネルギー方面における露日のパートナーシップは、アジア太平洋地域のエネルギー安全保障の強化という文脈に位置づけられる。共同声明では以上のように述べられた。

   プーチン大統領はロシアのガス大手「ガスプロム」社は液化天然ガスを運び入れるターミナルおよび日本における分岐ガスパイプライン・ネットの建設に参加する意向であることを明らかにした。

   大統領は、ロシアは十分な量の炭化水素燃料を有しており、従来のパートナーらや自国の消費者らに損失を与えることなく日本向けの供給を行うことができると指摘している。

   「我々はロジスティックス的な観点からも地理的な近さからも隣国どおしであり、こうした協力は十分に理解も説明もつくものだ。」

   インターファックス通信は大統領の言葉を引用してこう伝えている。

   大統領はまた、ロシアはこのほかにも、ロシア領内に追加的なエネルギー生産 拠点を建設し、それによって日本に電気エネルギーを供給する可能性を検討する構えだと付け加えた。

    露日首脳会談後の記者会見でプーチン大統領は、ロシアはいわゆる「北方領土」の問題を「相互に受け入れ可能な条件のもとで」解決することを願っている、と語った。

   プーチン大統領によれば、この問題は過去から持ち越されたもので、両者は「相互に受け入れ可能な条件のもとで」この問題を解決したいと心から願っている。問題の解決には「好意的な関係、信頼感ある環境」という条件を創造することが不可欠である、とプーチン大統領。

   一方で安倍首相は、「双方は両国間に存在する意見の不一致の克服のために努力を傾けていく」と述べた。同時に首相は、「領土問題が解決されるまで、南クリル諸島の開発に第3国が参加することには反対だ」との考えを示した。

   プーチン大統領と安倍首相の共同声明によると、露日の両首脳は、両国間のスポーツ交流発展の重要性を受け、2014年を「日ロ武道交流年」とすると決定した。

   ロシアを訪問中の日本の安倍首相は、ロシアのプーチン大統領に都合が良い時期に日本を公式訪問するよう招待した。安倍首相は、露日首脳会談を総括した記者会見で、プーチン大統領が訪日招待に感謝の意を表明したことを伝えた。

   安倍首相は、プーチン大統領と会うのは4回目だが、今回は胸襟を開いて真剣に平和条約を含めた幅広い問題について話し合うことができたとの考えを表した。

   安倍首相は、会談では相互訪問を含めた両国首脳レベルのコンタクトを強化することで合意したと指摘し、プーチン大統領との間に個人的な信頼関係が構築されたことを感じると伝えた。

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