2013.08. 2 , 14:52

モスクワと東京 ホスピタリティは高くつく

モスクワと東京 ホスピタリティは高くつく

モスクワと東京は、外国人駐在員にとって最もお金のかかる都市の上位にとどまり続けている。今年はモスクワは2位、東京は3位となっている。コンサルティング会社Mercerが世界数百都市を対象に毎年行っているこの調査で、今年トップに立ったのはルアンダだった。一見すると驚かれる人も多いかもしれないが、このアンゴラの首都では安全な住居を探すのが難しく、例えばラグジュアリークラスの2LDK(家具なし)で月4800ユーロかかるという。またアンゴラでは輸入品の物価が高い。他方、生活が十分に平穏なスイスでも物価は高く上位を占めているが、アフリカの諸都市では外国人にとっての物価が高くなっているといえる。

   東京とモスクワが高くなっているのはどうしてなのだろうか。まず第一に高級ホテルが高くなっていること、高級住宅の価格が高いことが挙げられる。マーサージャパンの小原香恋さんは次のように指摘している。

-これは駐在員にとっての物価ですので、一般の人の感覚とはずれている点があるかもしれませんが、駐在員にとって適切なものとなるとどうしても高くなります。あとどちらも英語圏ではないので、外国語新聞の値段なども高くなっています。これは東京よりもモスクワのほうが高くなっています。食べ物なども地元の人が行くようなところを知らないこともありますし、スーパーなどもどうしても高くなってしまいます。日本円が弱くなったなどの為替の影響も大きく反映しています。

   中産階級をターゲットにした調査もある。例えば、英誌「エコノミスト」のリサーチ部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」によれば、2013年初め、モスクワはトップ10にも入っていない。その代わり、今年の最も高い都市は東京となった。さらに第二位も大阪で、立て続けに日本の都市がランクインしている。

   モスクワではホテル市場を対象にした独自のモニタリング調査がある。モスクワ観光委員会では毎月、モスクワの各ホテルにおける料金を調べている。特に2013年6月には、モスクワのホテルの平均価格(5つ星、4つ星、三つ星、ホステルのカテゴリー別)とロンドン、パリ、マドリード、ニューヨーク、ローマとの比較が行われた。2013年6月の時点でのモスクワの平均価格はローマと同じぐらいであり、パリ、ニューヨーク、ロンドンと比べれば半分だった。また今年発表された「ヨーロピアン・バックパッカー・インデックス」でもこのことが確認されている。そこでは安い順にヨーロッパの各都市47が比較されているが、モスクワは15番目だった。

   モスクワでオンライン宿泊予約サイト(世界85カ国)を運営しているアンナ・イワノワさんは、結局は予算次第だと指摘している。

-よく外国企業の社員の方の手配を行いますが、その場合には高いサービスの質と利便性が重視され、節約などは二の次です。しかしモスクワではかなり安上がりなホテルもあります。多くの外国人はそれほど高くないホテルを選びます。さらには世界に広がるホステルを利用する人もいます。ホステルはロシアでも人気が高まりつつあり、特に若者層に人気があります。おそらく、ホステルは安いクラスのホテルに対する競合相手となるでしょう。

   東京は外国から来た若者たちにとっては住みやすいところだろうか。東京に留学し、生活経験もあるアナスタシア・フェティソワさんは、確かに物価は安くないと認めている。特に住宅と交通費はそうだ。しかし全体としてみれば、東京は非常に快適で住みやすかったようだ。

-お店の値段はやはり高いですが、カフェやレストランでいえば、モスクワよりも安くなっています。日本では有名なブランド品は他の国と比べれば高いです。しかし日本では費用対効果のパフォーマンスが極めてよいのです。美容師の腕は確かですし、値段もそれほど高くありません。モスクワよりも安く、そしてサービスの質は極めて高いのです。ただ、東京で部屋を借りる場合には、家具も何もないことを覚悟しなくてはなりません。すべてを自分でそろえなくてはならないのです。これは大きな出費です。一年ほどの留学ではとても不便です。

   2013年、ロシアへのインバウンドの観光客は大きく伸びたという。250万人以上の外国人観光客がロシアを訪れ、2011年と比べると10%多くなっている。そのなかでも中国人(+47%)および日本人(+18%)が大きな割合を占めている。

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