2013.08. 6 , 14:39

核なき世界のため ヒロシマとナガサキへの原爆投下の原因について嘘をつくのをやめなくてはならない

核なき世界のため ヒロシマとナガサキへの原爆投下の原因について嘘をつくのをやめなくてはならない

日本は国際的パートナーたちとともに、全世界における核兵器廃絶を目指す。6日、米国がヒロシマに原爆を投下してから68年目の追悼式典に参加した安倍総理が声明を表した。

    目標は素晴らしいが、核兵器をめぐる政治ゲームに終止符を打たない限り、実現することはできないだろう。また人類は、ヒロシマとナガサキに原子爆弾が投下された本当の理由にも正面から取り組まなくてはならない。モスクワ国立国際関係大学国際研究所のアンドレイ・イワノフ専門家は次のように指摘している。

    -米国がヒロシマおよびナガサキに原爆を投下したことが、日本国民にとって恐るべき悲劇となったことは、みんなが理解しています。今日に至るまで、苦しみ続けている人がいるのです。問題なのは、日本への原爆投下が正当化されるのかどうか、ということです。米国では、原爆投下によって日本を降伏に追い込み、米国、英国、中国、ソ連、さらには日本の多くの兵隊の命を救ったのだ、という見方が広がっています。2007年、久間防衛大臣までがそのような意見を口にしました。つまり、ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下は悪ではあるが、不可避だった、と。これが第二次世界大戦の幕引きとなり、北海道をソ連に取られることを回避した、だから米国に恨みは持っていない、とまで久間防衛大臣は言ったのです。しかし世論の怒りを買い、辞任に追い込まれました。ただ、原爆投下は余儀なくされたもので、仕方なかったという見方は、欧米諸国では広く残っています。

     英国のウィンストン・チャーチル首相は、日本を降伏させたのは、米国の原子爆弾ではなく、ソ連の参戦であったと指摘したことがあった。ロシアなら小学生でも知っているこの見方は、欧米諸国では忘れ去られている。「核兵器に関する5つの神話」の著者である英国の歴史家ウォード・ウィルソンが論文のなかで、「米国が4年かけて出来なかったことを、スターリンは4日間でやってのけた。」と書いたとき、欧米諸国の多くの読者が驚くというのも、そのような背景がある。彼は、太平洋での戦いに終止符を打ったのが原子爆弾であるという意見を実証的に否定している。当時、米国の「空飛ぶ要塞」は日本の数十都市を焼け野原にしてしまっており、数十万人の日本人が犠牲となった。日本の指導部はしかし、それは国民を一つに団結させ、抵抗への意志を強化するものだと考えた。それゆえ、1945年8月6日、日本の指導部に大きな衝撃はなかった。ただ、8月8日、昭和天皇が原爆投下に関するより詳細な報告をお聞きになられた際、「もし敵国がそのような兵器を使用するならば、戦争継続は不可能」とおっしゃられたが、「より有利な条件を引き出すためなら、即座に停戦することもなし」と付け加えられた。

     そのような雰囲気は8月9日、ナガサキに原爆が投下されてからも変わらなかった。大きな転換点となったのは、それと同じ日、鈴木貫太郎首相が最高戦争指導会議臨時会合で、「本日朝のソ連による参戦は、我々をして出口のない状況におかしめ、さらなる戦争継続を不可能とした。」と明らかにしたことだ。

     満州におけるソ連軍の快進撃こそが、8月14日、昭和天皇が降伏を承諾された背景にある。日本軍はそれでも反撃の準備をしていたが、ソ連軍の満州および朝鮮での快進撃を背景に8月19日、無条件降伏を発することになった。つまり数十万人の民間人が犠牲になった原爆投下ではなく、ソ連の参戦こそが戦争終結に結びついた。原爆投下がなくとも、ソ連の参戦は同じ結果を招いただろう。米国が原爆投下を必要とした理由、それはソ連に対する圧力を加えることであった。

    イワノフ専門家は、核なき世界を現実のものにするためには、ヒロシマおよびナガサキでの悲劇について、自分の意見を紹介するだけでは不十分だと指摘している。

    -多くの国々にとって現在、核兵器が唯一の安全保障の手段であるという残念な事実をまずははっきりと認めなくてはなりません。例えば、イスラエルなどもそうです。ただ、イスラエルによる核兵器保有に対して米国は黙っていますが、北朝鮮が核兵器を持とうとすると米国は激しい憤りを表します。北朝鮮にとって核兵器は、自らの存在を保証するためのものなのです。米国は、他の主権国家における政権を次々に取替えっこしていますが、北朝鮮に対しても保証を与えたくはないのです。イランも同様です。

    一言で言えば、多くの国々にとって、外部からの侵略に備える信頼できるツールがほかに現れない限り、核なき世界は夢物語に過ぎないのだ。

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