2013.08.23 , 17:32

気候変動、世界は元の姿に返らない

気候変動、世界は元の姿に返らない

   ロシア極東の大水害を機縁に、気候変動という言葉が再び盛んに聞かれるようになった。ロシア極東の大水害は住民にとって晴天の霹靂であった。気象台に非難が向けられる。気象台の方では気象予報の困難さを言い立てる。後者の側の言い分を、ロシア水理地質学研究所副所長ドミートリイ・キクチョフ氏に聞こう。 
-アムールの忠犬、首まで水に浸かりつつ我が家を守る (フォト)

「気象予報システムというのは有用なものだ。異常気象というのは例外的な事態だ。世界のどの気象台も異常気象を予測することなど出来ない。また長期的な予測、月単位や季節単位の予測は、極めてあいまいなものにしかならない。全体的な傾向を示すことしか出来ないのだ。例年通りであるとか、例年より多いとか少ないとか。降雨について十分に正確な予測が出来るのは、せいぜい数日先のことにとどまる」

 

-人類にますます高くつく気候変動

 

   異常気象の件数は増大している。旱魃、大雨、洪水、台風。地球温暖化もいよいよ顕著だ。温暖化の結果、水の蒸発が加速している。空気中の水蒸気量が増し、大雨・洪水被害が発生しやすくなっている。再びキクチョフ氏に聞こう。

「1000年単位で未来を見れば、現在は寒冷化という傾向の中にあるのだろう。しかし我らの世紀に焦点を絞れば、大方、当面のところは気温は上昇していく。ただし、ある年の夏は前年の夏より必ず暑いということを意味するのではない」

   過去1000年を振り返ると、最も温暖な時期は10・11世紀に求められる。16・17世紀には「ミニ氷河期」が訪れた。局所的な「観測史上最高気温更新」などは、惑星全体の気候変動の歴史から見れば、大したことでなどないのかもしれない。しかし、現代人は、ちょっとした変化に過敏に反応する。極地における氷の融解や地下水の干上がりといった事象が、米国ではカタストロフィックな事態として受け止められた。コロラド河のミッドおよびパウエルという強大な貯水池の水位は30mも低下した。また米国西部ではここ14年間、史上最悪の旱魃が観測されている。

   質量保存の法則のごとくに、どこかで水が減れば、どこかで水が増えている。学者らの予測では、近い将来、海に面する136の都市が水没する。「米国のマイアミ、ニューヨーク、ニューオーリンズ、また中国の広州が水没すれば、その経済損失は全体の43%を占めるものになる」と「ラ・レプブリカ」紙は書いている。

   しかし、不安な予測をまくしたてる予想屋たちは、当てずっぽうに物を言っているようなものだ、と「フォボス」天候センターのワジーム・ザヴォチェンコフ氏は語っている。

「世界には海に面する街は多い。多くの国で、その国の生命は全く海岸線に集中している。中国がその例だ。人口の大部分が海岸線の細い帯の中に納まっている。海面が上昇すれば、海に面する諸都市にとっては、それは脅威である。しかし、それが不可避の宿命であるかのごとく語るのは間違っている。北極海の氷、グリーンランドの氷、南極の氷は、それぞれ全く異なる解け方をしている。沿海都市沈没論などありうるひとつのシナリオに過ぎないのである」

   ロシアのグローバル気候・エコロジー研究所の調べでは、ここ100年で地球の平均気温は0.7度上昇したという。温暖化か寒冷化か、乾燥化か湿潤化かはともかく、我々ないし我々の直接の子孫がこれまで見知ったものとは異なる世界に生きることになる、という思考を、もはや受け入れるべきだ。古き慣習、伝統を断ち切り、新たな時代を生き抜くための効果的な戦略を開発するべきなのだ。

 

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2014.07.21 , 16:36