2014.01.19 , 14:24

プーチン大統領 五輪で何に注目する?

 プーチン大統領 五輪で何に注目する?

ロシア連邦大統領V.V.プーチン氏によるインタビュー内容(ソチ、1月17日)

ソチには多額の投資がなされましたね。五輪準備のために500億ドルとも言われていますが、その正確の金額は分かっていません。また五輪から上がる利益などの点について、どうお考えでしょうか。

   V.V.プーチン:五輪準備の金額は発表されているとおり、2140億ルーブルです。今日の為替レートは1ドル=33ルーブルですから、それで求められる解は得られますね。

   ただこの質問に答えるためには五輪までに我々が何を計画していたかをすこしお話ししなくてはなりません。2006年から2007年、ソチをリゾート地として開発する計画が採択されました。ロシア連邦の地図を見ていただければ分かりますが、70%以上の領土は北にあり、さらに極北にあるといっていもいいぐらいです。しかしロシア人が利用できるような近代的なリゾート地は存在しませんでした。ですから、ソチ周辺のインフラを開発するということが大きな課題として立ち上がってきたのです。そしてそのための計画も策定しました。ですから目標は1つだけではなかったわけです。

   第一の最重要課題は、ロシアの南部を開発し、インフラを整備するということでした。新しい輸送インフラ、エネルギーインフラ、環境インフラが整備され、目標は達成されました。2007年と今日のCO2排出量を比べてみれば、半分にまで削減されたのです。

   第二の課題は、世界で活躍できるロシア人スポーツ選手を再び養成できるようにすることでした。ソ連邦崩壊後、ロシアでは山岳地方における選手養成ができずにいました。なぜなら養成施設はグルジアやアルメニア、カザフスタンなど海外に残されてしまったからです。

   第三の課題は、ソチを一年を通じたリゾート地に生まれ変わらせることでした。これはすでに達成されたと思います。ですから、五輪そのものだけを見てみれば、準備に要した費用は2140億ルーブルで、スポーツ施設はそのうちの15件、他のすべてはインフラ整備です。2140億ルーブルのうち、約1000億ルーブルが国家予算、他の部分は民間企業によるものです。これは宿初施設開発がメインとなっています。

   12月初旬、大統領はソチを3日間訪問し、五輪施設を視察されました。準備状況をどう評価されましたか。

   V.V.プーチン:すでにすべての準備が完了しており、あとはきれいに整えるだけです。ホテル内部のサービスを整え、建設機械を片付け、大量の建設ゴミを廃棄しなくてはなりません。つまりお客さんが来る前に部屋を掃除するようなものです。ゲストが訪れた時に見た目が美しく、イベントの精神にもとることがないようにすることです。すでに1年前の段階で、スポーツ選手などは満足の気持ちを表明していました。

   -五輪が行われればどこの国であっても、過激なグループが注目を集めようと集まってきますが、最近ロシアではテロ事件もあり、ソチでもそのあたりはどうなのでしょうか。

   V.V.プーチン:過激グループがこのようなイベントを利用しようとするという指摘は当たっています。イスラエル選手団がほぼ全員殺されたミュンヘン五輪の悲劇はいまだに記憶に新しいものです。そしてもちろん、いかなる国であっても最大限の安全措置を講じることになっています。

わが国の治安機関がこの光栄なる任務を立派にやり遂げることを願っています。

   多くの欧米諸国はロシアで同性愛者が抑圧されているとして不満を持っていると思いますが、これは一種の冷戦現象なのでしょうか。

   V.V.プーチン:これが冷戦現象だとは思いませんが、競争現象だとは思います。正しい関係発展のあり方は共通利益の追求であり、抑止であってはなりません。ロシアに対しては、何かを押さえつけようという古いアプローチがまだ残っているのではないでしょうか。

   -大統領はアルペンスキーのほか、ホッケーなどをされていますが、どの種目をご覧になりますか。またどのような結果を期待されますか。

   V.V.プーチン:実際に会場に足を運ぶことができるのは公務から解放される時だけで、自分自身の好き嫌いで種目観戦を調整できるわけではありません。ただ希望としては、ホッケーもアルペンスキーも見たいですし、バイアスロンやフィギアスケートにも興味があります。

   -大統領はソチ五輪が自分の子供だとおっしゃっており、ロシアで五輪が開催できるのも大統領のご貢献が大きいと思いますが、強いロシアという目標と重なる部分はありますか。

   V.V.プーチン:ロシアは1994年にも五輪を招致しようと試みましたし、2000年代初頭においてもそうでした。しかし当時、ロシアにおいて五輪を開催するのは経済的にみて困難でした。GDPはそのときから2倍に成長し、国民所得も2倍になりました。政府には2つの準備フォンドが存在しています。また国家予算も黒字となり、対外債務も完済しました。つまり経済成長こそがこのような事業実現を可能にしたのだと思います。消費者購買力について、これは国民一人当たりではなく、国全体としてのものですが、世界でも第5位となりました。これは実績です。確かに問題も抱えていますが、それは多くの国も同じです。

   五輪のような巨大事業は、特に若者をスポーツに駆り立てるという効果があります。ここでいうスポーツはつまり、大衆化ということです。それは国民の健康を向上させるものであり、それは国の利益でもあり、民族の利益でもあります。

   また精神的な意味もあります。ソ連崩壊後、カフカスでは流血の惨事が相次ぎました。そのような過去と決別し、五輪のような事業をしっかりと実施できるということは、国防という観点からのみならず、文化的な意味でも、スポーツの意味でも大きな達成だということです。

   -ソチ五輪はロシアをどのような国として世界に発信できるでしょうか。

   V.V.プーチン:五輪開催中、参加者も、ゲストも、ジャーナリストも、テレビ観戦される人も、新しいロシアを目の当たりにし、その可能性を理解し、新しい偏見のない見方をもってくれるといいと思います。これはよい結果を生み出すと確信していますし、世界各国とロシアの関係発展を促進すると信じています。

   -大統領は引退後のことを考えておられますか。

  V.V.プーチン:ホッケーをするのもいいかもしれません。私は2年半前までスケートを履いて氷の上に立つことさえままなりませんでした。いまでは、皆さんもご覧になったかもしれませんが、すこしばかり上達しました。とても嬉しいことです。引退すれば、自分の好きなことをしたいと考えています。

 

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