2014.09.30 , 14:13

クレムリンバレエ団のバレエ「魔笛」の初演

クレムリンバレエ団のバレエ「魔笛」の初演

9月30日、モスクワのクレムリン大宮殿で開かれていた第3回国際バレエフェスティヴァルが幕を閉じます。2週間にわたってクレムリン大宮殿で開かれていたフェスティヴァルには、ロシア、イタリア、ノルウェイ、イギリス、オランダから、世界のバレエ界のスターたちが集結していました。またフェスティヴァルでは、ジゼル、白鳥の湖、ドンキホーテ、眠れる森の美女、ロミオとジュリエット、雪娘、コルサールといった作品がプログラムされました。

今回のフェスティヴァルの目玉となったのは、モーツァルトのオペラ音楽「魔笛」を使ったバレエの世界初の初演でした。モーツァルトの時代にはオペラが主流だったことから、モーツァルトはバレエ音楽というものを書いたことはありませんが、これまで、モーツァルトの音楽を基にしたバレエ作品はいくつも作られてきました。しかし「魔笛」がバレエ作品として上演されるのは今回が初めてです。振り付けを行ったのは、クレムリンバレエ団の創設者で、芸術監督でもあるアンドレイ・ペトロフさんです。ロシアの声からのインタビューに対し、ペトロフ監督は次のように述べています。

「モーツァルトのオペラ「魔笛」は世界でもっとも頻繁に演奏されているモーツァルトの音楽です。しかもこれはもっとも謎めいたオペラでもあります。なぜ謎めいているのかというと、モーツァルトはフリーメーソンで、彼は脚本家のエマヌエル・シカネーダーとともに、あの作品の中にフリーメーソンの儀式の要素を盛り込んだからです。これはオペラの演出家たちに大きなファンタジーを与えるものでした。わたしたちもこの点を大いに利用しました。オペラ「魔笛」を下敷きにした映画、演劇、人形劇はたくさんあります。しかしバレエ作品はこれまでひとつとして作られていません。そこでわたしたちはこのオペラ作品をバレエという手法で表現しようと試みました。とても面白いものに仕上がったと思います。音楽はすばらしいものです。鮮やかで、喜びに満ちていて、生き生きとしていて、初演の37日後にモーツァルトが亡くなったなんて信じられないくらいです」。

 

 オペラ作品をバレエの舞台に持ち込むという試みは、クレムリンバレエにとって初めてのことではありません。アンドレイ・ペトロフさんが監督を務める25年間に作られた「雪娘」、「ルスランとリュドミラ」、「フィガロ」などは、今もクレムリンバレエ団のレパートリーに含まれています。今年、クレムリンバレエの芸術監督に招かれたアンドリウス・リエパさんはこうした流れを継続していく考えで、今後はチャイコフスキー作曲の「スペードの女王」のバレエ版の製作が予定されています。

 フェスティヴァル終了後もクレムリンバレエ団には多くのイベントが予定されています。今年、バレエ団はパリで開かれる「ロシアンシーズン」フェスティヴァルに参加するほか、12月には大規模な中国ツアーを行います。そしてもちろんロシア各都市での公演も数多く予定されているということです。

  •  
    シェアする