2014.10.11 , 16:44

ウクライナでのマレー機墜落事故 新たな詳細

ウクライナでのマレー機墜落事故 新たな詳細

ウクライナでのマレーシア航空機墜落事故に関する、新たな詳細が明らかになっている。それは、犠牲者の1人が酸素マスクをした姿で発見されたというもので、この事実は、乗客がマスクを装着する時間があった事を意味し、乗客全員が瞬時に非業の死を遂げたという説を疑わしいものとする。

この新たな事実を伝えたのは、オランダのティメルマンス外相で、水曜から木曜にかけての深夜の自国のTV番組の中で「皆さんお分かりのように、顔に酸素マスクをした姿で見つかった人がいるという事は、つまり、その人物には、それをする時間があったという事だ」と発言した。

 この発言から、少なくとも2つの結論を出す事ができる。一つは、マレー機墜落に関し国際調査の指揮を取っているオランダ人達は、発表されているよりも多くの事を知っている。これまで酸素マスクをした遺体について、伝えられていなかった。オランダの外相は、それを「すでに知られた事実」のように言及したのである。これについてオランダの調査官達は忘れてしまったのか、あるいは公表すべき情報だとはみなさなかったのか、興味あるところだ。

 そして二つ目の結論は、マレーシア航空機の乗客達が一瞬にして亡くなったというこれまでの説が、事実に基づいていない事が分かったという点だ。酸素マスクが飛び出して、それを装着する暇があった人物がいたのである。独立した立場にいる複数の専門家達は「この事は、飛行の最後にマレー機で何が起きたかに関するあらゆる想像を変える」と強調している。

 しかし、犠牲者の近親者や友人達に、実は最後の時、乗客は死を前に完全に恐怖を感じ得る状況にあったと伝えて、彼らをさらに苦しめるには及ばない。世界飛行安全基金のメンバー、セルゲイ・マリニチェンコ氏は「乗客の大部分は、あっという間に気を失った」と見ている―

「1万メートル以上の上空では、酸素の濃度は非常に低く、大気自体薄い状態です。それゆえ飛行機がいくつかの部分に分解してしまったような場合に生じる、急激な減圧の中では、全員の身体が存在できない状況に置かれたと考えられます。窒素が分離し所謂『血液の沸騰』が始まるからです。それは、大変短い間に起こります。そして周囲は、高度1万メートルですから、気温はマイナス50℃以下です。そうした高さから落下する身体はどんなものでも、大変な加速度がつき、瞬時に凍傷になります。それゆえ乗客の誰かが、そんな状況の中、長い間生きていたなどとは、私は到底考えられません。」

 実際、こうしたすべては、一つの事を裏付けている。つまり事故の調査は、正常に行われなかったという事だ。専門家の中間報告書は、写真をもとにしたものだった。ウクライナで停戦合意ができた今でさえ、国際調査グループは、墜落現場に急ごうとはしていない。マレーシアの代表達は、調査が来年春まで延期される可能性さえ有り得るとさえ述べている。冬の間に雪が降り積もった後に、専門家達は一体何を見つけようというのだろうか。

 もっともマレー機の残骸にたどり着こうとしながら、専門家らが真実究明を目指しているというのは事実ではない。先日ウクライナ保安庁のナリヴァイチェンコ長官は、保安庁がすでにマレー機墜落の原因を「特定した」とし、もはや必要なのは事故現場に赴き「(立証にむけて)十分でないものを見つける」だけだ、と語った。墜落現場地区に対しては、事故からひと月半後、ウクライナ軍が大砲や「グラッド」及び「ウラガン」ミサイルを十分撃ちこんでいる。彼らが必要とするあらゆるものは、疑いなく見つかるに違いない。しかし当時、ウクライナのミサイル・システムがどのように働いていたのか、なぜ現在に至るまで、ウクライナの管制官とマレー機乗務員の間の交信録音が公表されていないのか、といったロシア国防省の問いに対する答えに対し、ウクライナ側は、今も相変わらず沈黙したままだ。ロシア以外に、この問いに対する答えを待っている国はないからだ。

 最後に改めて、この悲劇を確認しておきたい。マレーシア航空機MH17便は、今年7月17日アムステルダムからクアラルンプールに向かう途中、ウクライナ東部で墜落、乗客乗員298名の命が失われた。

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