2014.11.14 , 13:49

需要の高まりとともに象の姿が消えていく

需要の高まりとともに象の姿が消えていく

  先日、英国の環境調査エージェンシーがタンザニアにおける象の殺戮と象牙の違法取引問題をテーマにしたレポートを発表した。環境学者はアフリカゾウの絶滅について、それが最大の理由ではないにしても、かなりの割合で中国での象牙需要の高まりがこれを加速化させているという重要な帰結をだした。

  タンザニアほど2006年から現在までに象の減った国はない。昨年1年だけをとっても1万頭の象が殺されている。レポートでは、これはつまり毎日30頭が姿を消していることに等しいと指摘されている。最も多くの象が殺戮されているのはタンザニア南部のセルズ自然公園で、2006年の象の頭数は7万頭であったにも関わらず、2013年の時点ですでに1万3千頭まで減っている。

    象牙の取引は1989年から国際的に禁じられている。ところが2008年にアフリカ人密猟者から押収された102トンの象牙が販売に出されると、中国は最も有力な購買者として名乗りを上げ、62トンを買い込み、その残りは日本が買い占めた。

    公式的な象牙販売のいずれのキャンペーンもブラックマーケットを打ち壊す目的で行われたもの。世界の役員らの考えでは、象牙は法的な形で主要な象牙消費国に持ち込まれた場合、これによって闇取引は破綻するはずだったが、中国も日本も販売の値段を考慮しなかったため、ブラックマーケットは逆に一層繁栄することになってしまった。

    IFAW(国際動物福祉基金)のグレイス・ガブリエル役員アジア問題担当は、「中国は今や日本を追い抜いて、象牙製品の最大消費国となった。2006年から2013年の間、象牙の価格は3倍に跳ね上がった。これが中国人が象牙をアフリカで買い上げ、これを違法に中国へと送り、いい値で転売しようとする理由だ」と語る。

    環境調査エージェンシーの調査では、違法な象牙供給が外交ルートを使って行われる例が少なくないことが明るみになった。レポートは、タンザニアに中国の高官が訪れるたびに象牙需要が急激に増大していると指摘している。中国政権はこうした非難をすべて退けている。中国外務省フン・レイ報道官は英国の環境調査エージェンシーのデーターを根拠に欠けるとコメントしており、タンザニア政府代表らも「これから行われるタンザニア大統領の中国訪問に水を差す中傷誹謗的考え」とはねつけた。

    中国に違法な象牙取引市場が存在することについては、すでに長年にわたって専門家らからの指摘がなされてきた。ただし中国政権も象牙違法取引の摘発強化策をとってきてはいる。数年前まで、中国では象牙製品のインターネット上の取引は完全に禁じられていた。また2014年1月には、違法に中国に持ち込まれた6トンを越す象牙を公開の場で焼却するキャンペーンが行われたばかり。こうした対策には徐々にではあるものの、民間の代表者らも加わり始めている。中国で象牙密売に反対する有名人の代表といえばバスケットボールの元スターのヤオ・ミン (姚明)さんだ。ヤオさんは先日個人旅行でアフリカを訪れ、英国のウイリアム王子とサッカーのデビット・ベッカム選手とともに動画を撮影し、同胞人に対し密猟者から動物を守るよう熱心に訴えかけた。

 

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