2014.11.30 , 14:31

プーチン大統領「ロシアを地政学的謀議に巻き込むことはお奨めしない」

プーチン大統領「ロシアを地政学的謀議に巻き込むことはお奨めしない」

ロシアのプーチン大統領は26日のソチ演説で、国際政治におけるロシアの立場を今一度はっきり示してみせた。演説の政治パートのエッセンスを集約すれば、次のようになる。「モスクワは誰のことを攻撃する気もない。しかし、地政学的謀議に巻き込まれる気もない」。

最近のプーチン大統領演説は全てそうであるが、このソチ演説も、欧州における激動、とりわけ、ウクライナ問題というプリズムを通して見る必要がある。

ロシアは、プーチン大統領によれば、好んで争いを起こすような姿勢は全く見せてはおらず、基地を包囲するなどといったことも、全くしていない。しかし、自分の国と、友人国とを守るためには、あらゆる手立てを尽くす用意がある。

「我々は誰のことも脅かしてはいない。そして、どこの誰がどう画策しようとも、我々はいかなる地政学的ゲームにも、謀略にも、ましてや紛争にも、参加する気はない。一方で、ロシアの主権と一体性、ならびに同盟国の安全は、確実に守らなければならない。そして、特に次のことに注意を促したい。国防分野の課題をクリアするに際しては、複合的なアプローチと、国家権力内の全ての機関の努力を結集することが必要である」

プーチン大統領はソチでロシア軍人らと軍の発展および軍事計画について一連の重要な討議を行った。大統領は、今後一、二週間のうちに、ロシアの軍事ドクトリンの改訂版が発表される、と述べた。ロシアの現行のドクトリンは2010年に採択されたもの。しかし、NATOの侵略的性格が顕著化していること、米国MDシステムの欧州およびアジア展開、ウクライナにおけるNATOおよび米国の冒険主義といったことが、軍事的な課題や地政学的脅威の性格を一変させてしまった。

ロシア大統領付属国家サービスアカデミーのウラジーミル・シュトル博士は、大統領発言は何ら「解読」する必要のないものである、としている。ロシアは2000年以降、ロシアを紛争に巻き込もうとする試みに、たえずさらされていた。アフガニスタン戦争もそうだし、リビア戦争もそうだし、欧米とイランの対立についてもそう、シリア紛争についてもそうである。そして今、米国は、ウクライナ危機を「恒常的くすぶり」とするべく画策している。ウラジーミル・シュトル氏によれば、軍事ドクトリン改訂版は、急速に変化する地政学的状況をよりよく泳ぐための道具となるはずである。具体的には・・

「第一に、ドクトリンは、輸入品への依存からの脱却、国産技術・国産製品への軸足の置き換えについての規定を持つだろう。そして、戦略核防衛の完全化、ならびに、通常兵器の今後の改良についても規定されるだろう。基本的には、何も目新しいことはなかろうと思う。しかし、外交政策の軍事的側面の強化という方向が明確に定められる筈である」

米国の暗躍によるキエフのクーデターやNATOのロシア国境への伸張の試みを受け、ロシアの専門家らはしばしば、現行の軍事ドクトリンは時宜に適わなくなっている、と主張するようになっている。旧ドクトリンはあまりにも外交的であった。米国やNATOとのパートナーシップへの、叶えられざる期待に、あまりに信頼したものとなっていた。いまや西側との関係は限界を超えて先鋭化した。こうなれば、脅威の淵源はどこにあるのか、その脅威の本質は何か、その背後にある者は誰か、ということを、明確に規定しなければならない。

ドクトリンではまた、北極開発や航空宇宙防衛軍の創設などについて詳細な規定がなされるはずである。

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