2014.12. 5 , 14:55

ロシア極東は考える、いかにして投資を呼び込むか

ロシア極東は考える、いかにして投資を呼び込むか

ウラジオストクで今日5日、ロシア経済の近代化に関する第4回露日協議が行われている。会場は2012年APECサミットの舞台、ルースキイ島にある極東連邦大学のキャンパスだ。なお、前回(第3回)は東京で、昨年10月に開かれた。

協議では、露日双方にとって極めて重要な、エネルギー効率やエネルギーの節約、医療や健康、輸送、都市環境、農業、林業といった部門について、討議が行われる。対ロ制裁をよそに、日本の実業界は、投資協力、特に極東地域におけるそれに、高い関心を保っている。沿海州やハバロフスク地方、サハリンやカムチャッカからは、日本のビジネス使節団来訪のニュースが、毎週のように寄せられている。特に活発なのが、北海道である。

日本の実業界がロシア極東におけるロシアとの協力に寄せる期待について、露日協議のためウラジオストク入りしているロシア極東発展省のマクシム・シェレイキン次官は、当ラジオの取材に応え、次のように語ってくれた。

「日本の実業界のロシア極東に寄せる関心は本物だ。しかし、その関心の規模となると、これは当地で進行中の数々のプロジェクトに対し妥当なものとは言えない。関心は大きいが、実現されるプロジェクトの規模が相対的に小さいのである。なぜか?関心はある。金もある。すぐ隣に位置している。市場も隣接している。資源も隣接している。ではなぜ?それは、投資プロジェクトの実現のための、現実的な努力が欠如しているからである。そしてまさに、投資家たちに最も受け入れやすい条件を創り出すためにこそ、極東発展省は、優先発展地区構想を精力的に推進しているのである。具体的には、プロジェクトの高速実現、リスクの最小化、相対的低価格といったことを、我々は提案している。優先発展地区構想の大原則は、たとえ半歩でもいいから、インフラ建設が投資の流入の先を行く、ということである。まさにこうしたアプローチが、カルーガ州に膨大な投資をもたらした。そこではすでに日本を含め、外国企業が活動を行っている。しかしそこで生産される製品は、主にロシア国内市場向けである。一方極東は、アジア太平洋への門である。ロシア極東には国内の他の地域にはない圧倒的な長所がある。たとえばそれは、無尽蔵の資源量である。石油、ガスはもちろん、石炭、鉄、金、ダイアモンド、魚、森林その他、多くの資源がある。また、たとえばそれは、アジア太平洋諸国へそのまま出ていける、不凍の港である。外国の投資家たちは、この豊富な資源を前に、舌なめずりをしているが、我々の課題は、ベクトルを、資源の輸出から、極東における資源の加工へと、転換することにある。私見では、このことこそ、極東の発展にとって、最も重要なことだ」

またシェレイキン氏は、極東にいま一番必要なことは、運営システムの近代化だ、と指摘している。ロシアにおいてのみならず、アジア太平洋諸国と比べても魅力的な投資先となるためには、極東は特別な規則、過保護とも言えるような投資環境を創ることを必要としている、と同氏。

「あるいは、日本や中国、韓国から投資を呼び込むためには、投資家の保護や、ロシア極東に外国人投資家のための特区を設置することについて、政府間合意を結ぶのがいいかも知れない。そうした特別な体制が、既にベラルーシと中国の間に成立しており、それなりの果実を結んでいる。特に需要の厚い部門を対象に、投資家たちに特恵をつけたなら、それは彼らの方へまっすぐ一歩を踏み出すことになろう。それというのも、ロシアであれどこであれ外国に事業を展開しようとする者は、投資案件の実現に伴うあらゆるリスクを勘案するものなのである。いわば入口のところで入念な調査を行うのである。一方我々の課題は、彼らを確実に守り、リスクを最小化してやることである」

シェレイキン氏によれば、ロシア極東は何も大型の外国資本に対してだけ開かれているのではない、中小企業とも喜んで協力する、とのことである。言うまでもなく、大企業と比べ、中小企業にとって、外国へ新天地を求めることは、遥かに困難かつリスキーである。そんな中小企業も、優先発展地区では、遥かに容易に働ける筈である。その一例に、先日、北海道の建設業者が沿海州を訪れた。自分たちの工法、また建築資材は、寒冷な気候に特化したものであるから、沿海州にもうってつけのものであるに違いない、というのである。

日本の報道を見ると、プーチン大統領の4日の声明の中で特に日本人の注目を集めたのは、ウラジオストクを「特殊な体制をともなう自由港」に変える、という箇所であったようだ。それが文字通りのポルト・フランコ(自由港)を指すのか、それとも違う形態の自由なのか、はっきりしないが、日本を含め、アジア太平洋諸国の実業界へ、新たなシグナルが発せられた形だ。

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