2014.12.23 , 16:14

ロシア ついに宇宙への独立した道を獲得

ロシア ついに宇宙への独立した道を獲得

ロシアは「アンガラ5」クラスの新しい大型運搬用ロケットを、ロシア連邦北西部のプリセツク基地から打ち上げることに成功した。これは、周囲の環境に害を与えることが少ない酸素ケロシン・エンジン(液化酸素とRP-1)を使った万能型ロケットモジュール(URM)を基礎にした新世代の運搬ロケットで、貨物積載量は1,5 トンから25トンだ。

 ロシアの宇宙開発において、重要な出来事が起きた。ロシアは、この分野で真の意味での独立した存在となったのだ。これまで大型の運搬用ロケットの打ち上げは、バイコヌール基地のみだった。この宇宙船発射基地は、ソ連時代に作られたもので、ソ連崩壊後、カザフスタンにその管轄が移った。2050 年までロシアとカザフスタンは、この基地の利用に関する合意を結んでいる。それゆえ恐らくは、少なくともそこからの打ち上げは友好的に行われるだろうが、やはりカザフは主権国家である。それが今回、ロシア領内からの大型ロケット打ち上げに成功し状況は根本的に変わろうとしている。

 雑誌「宇宙ニュース」の編集長で、ツィオルコフスキイ記念ロシア宇宙飛行学アカデミーのイーゴリ・マリニン・アカデミー会員に話を聞いた―

「ロケットは理想的な形で打ち上げられた。ロケットは『プロトン』に変わるもので、『プロトン』のようにバイコヌールからだけではなく、より北方に位置するロシア領のプリセツクからも人工衛星を静止軌道に打ち上げられる性能を持ったユニークなものだ。

 つまりこのロケットのおかげで、我々は、他の国の助けを借りずにロシア国防省が必要とするあらゆるものを広大な宇宙空間に持ち出す独立した可能性を手にしたのだ。それ以外にも『アンガラ』は、将来有望だ。ロケットの貨物積載容量をさらに増やす酸素ケロシン・ブロックが作られつつある。こうしたことや、他の別のファクターは、ロシアがまたもや宇宙開発において突破口を開いたことを物語っている。」

 運搬ロケット「アンガラ」は、モジュールだ。様々な貨物を静止軌道や地球周回軌道上に投入するため、その時々で、異なった数のブースターで組み立てられる。 軽いもののために1基、中程度のためのもののために3基、重いもののために5基のエンジンといろいろなバリエーションがあり、搭載できるのは25トンまでだ。まさにモジュール化したことで「アンガラ」ロケットは、経済的に大変効率がよくなった。

 さらに環境にやさしい点も、これまでとは違う。エンジン用燃料として利用されるのは、有害なヘプチルではなく、酸化剤としての酸素入りのケロシンだ。

 今年夏、軽い荷物を運ぶ「アンガラ」の初めての打ち上げ実験が実施された。今度は、2トンもの重さの貨物を軌道上へと運ぶ番だ。「アンガラ」を用いた本当の重量貨物の打ち上げは、 2016-2017年に予定されている。この打ち上げには、新たな課題がある。「アンガラ」を何度も使用できるような形にすることだ。そうなれば、補助ブースターは回収可能で、打ち上げ費用は、ずっと安くて済む。そうしたことなしには今や「アンガラ」は、生き残り競争に勝つことはできないのだ。

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