2015.03.18 , 23:47

原子力エネルギーについて方針が定まらない欧州

原子力エネルギーについて方針が定まらない欧州

福島第1原子力発電所での事故の後、一連の欧州諸国は、原子力エネルギー開発プログラムを中止した。しかし、原子力発電の代替エネルギーの費用を知り、考え直した。ウラジーミル・カチン評論員は、MIA「ロシア・セヴォードニャ」のために特別に準備した論文の中で、このように指摘している。

福島第1原発の事故から4年が経過した。国際環境NGOグリンピースは毎年、事故が起こった3月に原発反対の抗議デモを開いている。日本の悲劇的な出来事は、原子力エネルギー全体の状況に影響を与えた。すでに原発を保有している国、あるいは原発を保有しようとしている国の大多数が、より慎重な姿勢をとった。原子力エネルギーへの関心は、世界規模で低下した。しかしエネルギーの需要は高まっている。一連の指標によると、原発は火力発電所などよりもコストが安い。原発は、石油、ガス、石炭あるいは泥炭を使用する発電所と比較した場合、より生産的で操作しやすい。欧州では、これに関する意見が分かれている。

15日、ベルギーで抗議デモが行われた。環境学者らが伝えたところによると、原発2基の原子炉容器に微小なひびが発見された。国際原子力機関(IAEA)の情報によると、欧州連合(EU)加盟国では、131基の原子炉が稼動している。原子炉が最も多い国はフランスで、原発19基に58基の原子炉がある。フランスでは発電の75パーセント以上を原子力が占めている。なおフランスでは主に国境地域に原発があり、その大部分は古く、運転開始から30年以上を経過している。この2つの要因が、フランスの環境学者たちの抗議を引き起こしているほか、隣国も原子炉の停止、老朽化した原発の閉鎖や解体を求めている。しかしフランス政府は原子力エネルギーの開発を続ける方針だ。フランスのロワイヤル・エネルギー相は、老朽化し、運転期間を経過した原発を、より現代的な新たらしいものに変えるべきだとの考えを示している。

ドイツは「フクシマ」での事故のあと、原子力エネルギーに対する立場を急変させた。ドイツ政府は、2022年までに原子炉を全て停止し、原発も全て閉鎖すると発表した。原発8基が即時停止され、他の原発の閉鎖計画が立てられた。当時、欧州のメディアは、ドイツの新たな方針について幅広くコメントし、ドイツは脱原発が可能であることを証明しようとしていると指摘した。しかしその後、原発の完全閉鎖、および新たなタイプの発電所の建設に必要な費用は、1兆7000億ユーロであると試算された。そして、原子力エネルギーの展望に関する議論は停滞した。

こんにち、原発を保有していないEU加盟国は半数の14カ国。キプロス、マルタ、ルクセンブルクなどでは原発建設についての話し合いも行われていない。別の国、例えばラトビア、リトアニア、エストニア、イタリアなどでは、一部の原子炉が停止された。アイルランド、ギリシャ、デンマークなどでは、これに関するプログラムが中止された。スイスは、原発を放棄しようとしたが、考え直した。英国は、新たな原発と原子炉の建設を計画している。専門家たちは、世界は今、原発のある社会から完全に抜け出すことはできないとの考えを表している。

 

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