2014.12. 6 , 11:50

北極はロシアにとって「黄金のストック」

北極はロシアにとって「黄金のストック」

  石油価格の下落はロシアの北極プロジェクトに何の影響も及ぼさない。ノヴァク・エネルギー相は経済の複雑な条件もロシアの石油会社を混乱させることはなく、プロジェクトの延期はないと語った。

  北極における石油、ガスの採掘から得られる利益は以前と変わらず小さいものではない。それだけではなく、北極がロシアにもたらす将来性は多大だ。ノルウェー人北極探検家のナンセンは北極を「氷の恐怖の国」と読んだが、氷が解けるにつれ、この地域の魅力は投資家にとってますます高まっている。

    専門家によれば北極に関連する発展はロシアのエネルギー、経済上の安全を保証ことにつながる。北極のうちロシアに属する部分は全体の40%。これはロシア連邦の面積のほぼ5分の1に相当する。そして今日、まさに北極にロシアの主要な国益が集中しているのだ。豊富な資源が国民の収益の10%以上をまかなっており、これはロシアの全輸出高のほぼ4分の1に相当している。ロシア科学アカデミー石油ガス問題研究所のヴァシーリー・ボゴヤヴレンスキー副所長は、北極こそが将来、ロシアの独立性を保障してくれる存在となるとして、次のように語っている。

    「ロシアの大陸棚全体には試算でおよそ1000億トンの炭素燃料がある。そのうちおよそ80%がガスで、それがもっとも多く埋蔵されているのがバレンツ海、カラ海だ。ロシアの北極大陸棚の採掘は2003年から開始されている。陸上航路で到達できる地域についていえば、そこでの作業はすでに40年近くにおよぶ。こうした作業を活性化する必要性はいうまでもない。」

    ロシアは北方の海洋の大陸棚の領有権の合法性を国際組織に証明するだけではなく、北極開発活動を積極的に行ってきている。

   エネルギー資源をはじめとするあまりに豊富で貴重な資源は未だに開発されていない。北極のほぼ全体がありとあらゆる天然資源を多く有している。たしかにそのほとんどは地下500メートルの深さに眠っているため、地質学の探査作業を困難なものとさせているのは確かであり、その作業も一年を通じて行うことはできない。それでも全地球規模で温暖化が進んでいるため、これによってより広範に資源採掘の可能性が開けていることも事実だ。

  地政学問題アカデミー第1副会長で軍事学博士のコンスタンチン・シヴコフ氏は、北極の意義は経済的面だけでなく、軍事、地球戦略的な面でも高まっているとの見方を示し、次のように語っている。

    「地政学戦略的観点からいうと北極は米国から欧州へ通じる最短路だ。つまり

   大陸間弾道ミサイル、戦略爆撃機も最短路で飛ばすことができる。このほか、ロシアの原子力潜水艦はまさに北極の水域でパトロールを行っており、米国の巡航ミサイル搭載の潜水艦もロシアの標的を攻撃する使命を帯びて、同じ水域をパトロール中だ。穏やかな時代でも同水域では毎日少なくとも2-3隻がパトロールを行っていたが、情勢が緊迫化すると、その数は10隻にまで達した。このため北極をめぐる戦いは熾烈さを増すはずだ。」

    北極への関心はここ数年、ますます高まっており、そうした関心は北極沿岸から遠い国の間でも示されている。だがロシアは北極の権益について譲るつもりはない。この意図は最高レベルで幾度も表されてきている。12月1日よりロシア北方艦隊基地で新たな戦略指揮が開始されたほか、船、潜水艦の両方で民間による北極探検も計画されている。コテリヌイ島では軍事基地と軍事空港が活動を開始した。その課題は石油ガス資源を守り、北方航路の船の航行の安全確保となっている。

 

 

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