ソグディアナの心臓部におけるロシア人学者ら

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モスクワのレフ・グミレフセンターがタジキスタンのヤグノブ渓谷における学術調査を終了させた。目的は、古代ソグディアナに暮らしたソグド人の子孫を自任する原住民の生活を研究すること。彼らは遠い祖先の伝統を現代に伝えている。彼らは今も土地を木製の鋤で耕し、火で病気を治し、物々交換を行なう。ドゥシャンベ特派員ガリム・ファスフトジノフ氏が詳細を報じた。

ロシアの研究チームはヤグノブから膨大な資料を持ち帰った。原住民の口承文学や、タジキスタン人学者のコメント、非常に色彩豊かな写真の数々。こうした情報は歴史家や文化学者だけでなく、学問とは疎遠な人々にも興味深いものだ。モスクワのレフ・グミレフセンター所長で作家、民俗学者のパヴェル・ザリフリン氏がスプートニクに語った。

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「ヤグノブ渓谷の輪郭を切り出すための探検だった。なぜそれが必要なのか。写真があればこそ、今やヤグノブについてはロシアやCIS諸国の何千、何万という人々が知っている。自分たちと並んで、このような、伝統的価値観を守り、ジーンズや現代的通信手段を持たずに暮らしている民族がいるのだ、ということを、人々は知った。この民族は、伝統的な生活を守ることで、なにやら不思議な、内面的なパワーを保っている。彼らが巨大な内的エネルギーを持っていることを、我々は目撃している」

ドゥシャンベからヤグノブまでは4時間の道のり。まずは車で移動、次に徒歩で山間の村々を目指す。集落は海抜3000m以上のところに位置している。この人跡稀な山中に、ヤグノブ人たち、またはソグド人たちは、8世紀の昔から住み続けている。まずはアラブ人の侵略から逃れて、次にはチンギスハンの軍隊を逃れて。しかしそんな彼らの隠遁生活も、ソビエト政権によって破られる。半世紀前、原住民は山から谷に引き降ろされ、綿花プランテーションに従事させられた。のち、この政策は誤りであったと認められ、山中への帰還が許された。ヤグノブには今500世帯が暮らし、全員が昔ながらの生活を送っている。金銭というものをもたず、農業を営み、文明の利器というものに対しては、独特の哲学をもっている。再びパヴェル・ザリフリン氏。

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「私たちは色々なものを持っている。自動車、パソコン、アパート、暖房。しかし同時に、色々なものを失っている。大都市に暮らす人々には、力がない。刹那的な活動に右往左往し、疲れやすく、長く眠る。人生の目的というものを理解しない。それが諸々のトラウマ、自殺の淵源になっている。しかしヤグノブに来ると、まるで一昔前の、人間が自分自身でいられた世界に帰って来たように感じられる。ズボンの縫製も、パンの焼成も、獣を狩るのも土を耕すのも、全て自分でするのだ。彼らは独自の言語を持ち、文字というものをもたず、子孫に言語を口伝していった。彼らは長所にあふれた人々だ。中世の版画から抜け出たような、背中に一本筋の通った人々だ。こうした魅力あふれる彼らだから、世界中の人々がヤグノブを訪れ、まがいものでない感覚を体験するのだ」

ヤグノブ集落はユニークな社会現象である。それを見出したのはロシアの学者たちだった。それも、19世紀という早い時期に。であるから、150年も経ってモスクワの研究チームがタジキスタンを訪れたことは象徴的だ。研究チームはこの「青空ミュージアム」を広く宣伝し、グローバリゼーションの圧力からこのユニークな地域の独立自尊を守る考えだ。

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