米国の同盟諸国、中国に歯向かうことを拒否

© Sputnik / Aleksandr Vilf / メディアバンクへ移行中国の国旗
中国の国旗 - Sputnik 日本
サイン
ロシアはアジア・インフラ投資銀行への加入を決定した。ボアオ・アジア経済フォーラムの開会式で、ロシアのイーゴリ・シュワロフ第一副首相が発表した。ロシアとそのパートナー諸国は、ユーラシア連合の機構としての可能性やその他地域的機構を利用しながら、エネルギー資源供給のみならず、「輸送、工業、建設、通信、農業における先端技術の方面でも」協力を拡大することが出来る。

「ユーラシア経済連合の枠組みにおける商品と資本の自由な移動によって、欧州とアジアの経済が接近する。それは中国のリーダーが唱道する「シルクロード経済ベルト」の理念とも呼応しあう」とシュワロフ第一副首相。
中国側もロシアのアジア・インフラ投資銀行加入を歓迎し、ロシアから同行への支援について、プーチン大統領に「心からの感謝」を表明している。


豪州とカナダ、つまり米国のアジア太平洋地域における重量級同盟国2か国が、中国のアジア・インフラ投資銀行の設立計画を支持している。


3月25日、豪州が賛意を表した。先週は米国の欧州における主要なパートナーである英国、ドイツ、フランス、イタリア、ルクセンブルク、スイスが軒並み、設立国に名を連ねるとの決定を下した。中国がこの銀行において自らの拒否権を放棄する旨発表すると、対中姿勢で一致すると米国が一方的に思っていた諸国も、一斉に中国へと走った。


中国のこの強力な外交行動で、アジア・インフラ投資銀には既に1000億ドルの授権資本が集まっている。これを数倍に増大させることも、そう難しいことではない。欧州や豪州は30億ドルの授権資本を投入する構えを見せている。加えて同行は、どうやら元建てでインフラ建設への投資・借款を行うようだ。しかも、習近平国家主席の唱道する、アジアと欧州を結ぶ陸・海の「新シルクロード」の創設、それが念頭に置かれているらしい。2つのプロジェクトが互いに緊密に関係していることを、中国側も認めている。


中国のプロジェクトに加わっていない米国の同盟国は日本だけとなった。日本は米国の強い圧力を受けている。しかし政治学者ウラジーミル・エフセーエフ氏は、「日本が米国の陰に隠れているのも、今しばらくのことだろう」と語る。


「2025年、中国は、経済で世界のリーダーとなる。それまでに中国は自前の金融システムを構築したいと考えている。それを米国が阻もうとしている、という構図だ。米国は中国の経済的急進に耐えることは出来るかも知れない。しかし銀行や金融で中国がリーダーとなっては、米国も終わりである。そう思うからこそ、米国は、たとえば日本に圧力をかけるのである。プロジェクトへの日本の参入を阻むのである。しかし、日本への圧力にも限界があるだろう。日本を完全に圧伏することは出来ない相談だろう。遅かれ早かれ、日本はこの銀行に加わるだろう。なぜって、合理的な選択肢は他にないのである。米国の経済的凋落がそろそろ始まっていること、新たな状況に備えなければならないことを、日本も理解できないはずはないのである」


インドやパキスタンは真っ先にアジア・インフラ投資銀行に加盟した。南シナ海で中国と領土紛争を抱えるベトナム、フィリピン、マレーシアさえこれに参加している。インドネシアとニュージーランドは保留中。しかし、両国首脳が「中国のダヴォス」ことボアオを訪れる今週にも、両国の参加が決まる可能性はある。

 

 

ニュース一覧
0
コメント投稿には、
ログインまたは新規登録が必要です
loader
チャットで返信
Заголовок открываемого материала