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    ロシアの見る米大統領選、従来の一団

    ロシアの見る米大統領選、従来の一団

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    米国で開始された選挙キャンペーンは、実際は目新しくない政治カードの切りなおしにすぎない。「ロシア・セヴォードニャ」のヴァレンチン・ゾーリン評論員はこうした見方を示している。

    米大統領の座をめぐる戦いが火蓋を切って落とされた。とはいえ、実際の投票は2016年11月にならないと始まらない。選挙の公式的な立候補に名乗りを上げたのは67歳になるヒラリー・クリントン氏。民主党内ではどうやら、有望な候補者は他に見つからなかったらしいことは、ワシントンの政治フィールドが人材にはあまり富んでいないことを物語っている。

    ヒラリー・クリントン氏の著名度は当初は政治活動で得られたものではない。最初に有名になったのは第42代米大統領のファースト・レディとしてだった。最初に得られたこの著名度がスキャンダルのエッセンスつきだったにもかかわらず、クリントン女史は猛烈な政治的野心を発揮した。政治顧問の独自の機能を作り、ワシントンの常客に言わせると、いつの間にか自分の夫の政治顧問のトップの一員になりつめた。ユーゴスラビアの首都、ベルグラードの空爆決定も含め、クリントン大統領の行ったシリアスな外交行動の多くはヒラリー氏の見解と関係がある。

    オバマ氏が内閣の重鎮の一人にヒラリー・クリントン氏を据え、国務長官に任命したのも偶然ではない。とはいえ、ヒラリー氏は国務長官の座で大業を成し、著名人名簿を飾ったわけではない。だが、経験と、特に重要な関係を手に入れ、民主党の最高編隊におけるポジションを決定的に築いたことで、ヒラリー氏は国の最高のポストへ打って出るチャンスをものにしたのだった。

    共和党は現段階では候補者を明らかにしていないが、政治観測筋の大多数の意見はさらにもうひとりのブッシュである、第43代ブッシュ大統領の息子が推挙されるのではないかという点に集約されている。
    ジョージ・ブッシュ・ジュニア氏は不成功に終わった大統領という不名誉な名簿に名を重ねている。ブッシュ・ジュニア大統領の支持率は任期終わり近くには米国政治史上最低の数値を記録し、それが2008年の選挙で共和党の惨めな大敗の一因となった。ひょっとすると、まさにこのために共和党中枢は最終決定を引き延ばしているのかもしれない。とはいえ、選択の余地はあまりなく、最後はブッシュ家が産業界、金融界で、特に強力なテキサスの石油王グループ内で持つ政治的交友関係と重みがものを言うものとみられている。

    ジェフ・ブッシュ氏自身は今までに米政治舞台で凄腕を発揮したことはない。ただし政治歴に残した記念すべきエピソードをこれに入れなければ、の話だ。ブッシュ・ジュニア氏は2000年の大統領選挙で民主党のゴール候補に100万票の差をつけられ、事実上の大敗を帰したが、共和党のトップらは投票結果に文句をつけ、票の数えなおしを要求した。数えなおしが命じられたのはフロリダ州で、当時その州知事だったのがジェフ・ブッシュだった。数えなおしはもちろん、ブッシュ・ジュニアに有利に働き、兄弟のおかげ、最高裁のおかげでブッシュ・ジュニアはフロリダ州で勝利を収めたからだった。

    そんなわけで米国はこんにち、2つの強力な政治家系どおしが将来をかけた戦いを展開する場となっている。そしてこれは、偶然の状況の一致ではない。米国の政権エリートは実業界、家柄のある一族と緊密に絡み合う、金融、産業資本の主導的グループと密接にからむ人間たちで構成されているからだ。

    では黒人であるオバマ大統領は一体どこから現れたのだろうか、とその筋に明るくない人は尋ねるだろうが、オバマ氏の背後には実は強力なケネディー一族が控えている。だからこそ、2008年夏の党大会で個人的にオバマ氏を大統領候補に推すために、病でぼろぼろになったエドワード・ケネディー氏が出てきたのではないか。     

    今のワシントンの政権エリートでいわゆる「米国の100のファミリー」を代表する者らは、冷戦時代に育ち、作られた世代であり、そのステレオタイプや冷戦の精神からどうしても脱却できないでいる。今回の選挙戦は従来ある政治カルタの切りなおしであり、ことさらな期待はできない。

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