国連事務総長のモスクワ訪問は 世界に道徳的な教訓を与える

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国連のパン・ギムン事務総長が、戦勝記念日の式典に出席するためにモスクワを訪れる。米国営放送「ボイス・オブ・アメリカ」は、事務総長のモスクワ訪問について、このニュースは「ウクライナのクリミアが強制的に併合されたあと、ロシアはいかなるレベルの支持も得るべきではないとする数々の声明を背景に」報じられた、と指摘せずにはいられなかった。

パン事務総長のモスクワ訪問に関する決定は、ウクライナとリトアニアの不満を呼んだ。国連安全保障理事会で今月議長を務めているリトアニアのムルモカイテ国連大使は記者団に、リトアニアは「ウクライナ側が表明した懸念に理解をもって接している」と発表した。なぜならウクライナは「自らが頼んだわけではない戦争に引きずり込まれたからだ」という。これはキエフ当局が「ロシアの侵略から守るため」に行っているとする戦争を暗示している。これはあからさまな嘘だ。ウクライナ南部・東部では、ウクライナ軍と民族主義者たちの部隊が、ロシア軍とではなく、キエフでの違法なクーデターを支持しなかった自国民と戦っている。モスクワ国際関係大学国際関係研究所のアンドレイ・イワノフ主任研究員は、ナチス・ドイツに対する勝利70周年に関係する全てのものも嘘に包まれていると述べ、次のように語っている。

「西側の複数のリーダーたちは、ロシアを侮辱することを望み、戦勝70周年をモスクワではなくキエフで祝うことでも合意した。しかしナチス・ドイツと戦ったのはソ連であり、ソ連の首都はモスクワだった。キエフではなく、まさにモスクワで戦後に戦勝パレードが開かれ、その時、赤の広場のレーニン廟に向かって、ロシア軍によって壊滅されたナチス師団の旗が投げ捨てられた。ドイツ軍は部隊の3分の2を東部戦線で失った。しかし西側ではしばしば、ソ連はドイツの敗北に主な貢献をもたらした米国を助けただけだ、と語られている。米国が武器や弾薬を供与してソ連を大いに助けたことに間違いはない。しかし米国が欧州領内でドイツとの戦いを始めたのは1944年になってからのことだ。そして間もなくして米軍と英軍はアルデンヌで包囲された。ソ連軍が迅速に攻撃を開始しなければ、壊滅は必然だった」。

イワノフ氏は、その後ソ連軍はもう一度米国軍を助けたと述べている。ソ連軍が日本との戦争を開始したことで米国は大きな損失を免れたのだ。ソ連軍は日本の関東軍を壊滅させ、降伏を余儀なくさせ、朝鮮半島を解放した。しかしこれが可能となったのは、1945年5月にドイツが壊滅したからだ。

イワノフ氏は、韓国のパク大統領がモスクワで開かれる式典への出席を拒否したことは、朝鮮の人々を日本の支配から解放することを助けた人たちへの哀悼を軽視していると認識される可能性があるとの見方を示している。

しかしイワノフ氏は、パン事務総長のモスクワ訪問は、韓国やその他の国々のリーダたちが、モスクワでの戦勝記念式典のボイコットをデモンストレーションしているこの状況の気まずさを、若干緩和すると述べている。パン事務総長は韓国人だ。事務総長の行動は、政治よりも大切なものがあることを思い出させてくれる。その大切なものとは、追悼と感謝だ。

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