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    日本、東南アジアで中国に対抗するため、米国を支持

    日本、東南アジアで中国に対抗するため、米国を支持

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    カンボジアで日本ASEANフォーラムが開幕した。世界第3の経済大国と急速な勢いで発展する東南アジア諸国連合は長年強固な関係を築いてきた。日本はASEANにとっては中国、EUに続いて3番目に大事な貿易パートナーであり、この地域への投資高では2番目に大きい額を投じている。だが日本とASEANの関係は経済には限らない。中国と韓国との関係は領土問題、歴史の負の遺産から複雑化してしまったことから、日本は東南アジアへ執拗な注意を向けた。日本の外相、他内閣高官らが常時行っているASEAN諸国訪問はいわずもがな、昨年2014年をかけて安倍首相はASEANの10カ国すべてを訪問した。

    ロシア科学アカデミー極東研究所、日本調査センターのヴァレリー・キスタノフ所長は、日本は軍事面で拡大する中国に対抗するため、ASEANを利用しようとしているとの見解を表し、次のように語っている。

    「日本は今、南シナ海でのプロセスを非常に注意深く見守っている。南シナ海で中国と領土論争を抱えるASEAN諸国は、とりわけフィリピンとベトナムは、海洋軍事行動を拡大し、南シナ海の水域の大部分を要求する中国の攻撃的な活動に非常に憂慮している。中国はこの水域の各所に人工島を作り、その上に滑走路の建設を始めている。これらすべてを、東シナ海の尖閣諸島で長引く領土論争を抱えている日本は見守っている。日本は2つの海域にある2つの論争をとりまとめ、ひとつの反中行動にし、まずフィリピンとベトナムを自分の側に引き入れようと必死だが、その目的はいわゆる中国の脅威への対抗手段であり、中国の力を分散させようというものだ。日本はこれに関してはすでにかなり具体的な行動をとっている。日本はベトナムとフィリピンに警備艇を供給し、これによってこの2つの国が中国が展開する海軍力、領土要求により積極的に対抗できるよう図っている。」

    伸張する中国の軍事力に対抗するのは日本独自の国益だけではない。日本の同盟国、米国の戦略的関心も同じ。米国は東南アジアにおける影響力を拡大させている。これは正確にいえば軍事分野における影響力であり、特に「外交」新聞(国際新聞、発行は日本)によれば、来年米国はASEAN諸国と実施の海上軍事演習の回数を増やす構え。

    日本は太平洋憲法の緊密な縛りから脱出することを長年夢見てきたが、これは現実のものとなった。先に行われた安倍首相の訪米は、日米防衛協力の基本路線が事実上見直されることで終了した。これからは日本の自衛隊、米軍は事実上、世界のいかなる場所でも共に軍事行為に参加できることになった。米国は日本に対し、南シナ海のウォッチングおよびパトロールに参加するよう提案してきており、日本もこれに傾いている。しかも日本が世界のあらゆる場所から運ぶ貨物、特に石油はその大部分がこの南シナ海を通って運ばれている。このため日本は、この海路が誰の脅威にもさらされないようにすることに最大の関心を払っている。

    ASEANをめぐる戦いは一方の側には中国が、もう一方には日米がいて展開されているが、キスタノフ氏は、これはこれから経済、軍事の2つのラインで行われていくだろうとの見方を示している。
    これについてロシア科学アカデミー東洋学研究所のドミトリー・モシャコフ副所長は、この戦いは簡単なものには終わらないとして、次のように語っている。

    「中国の外交政策の性格は、バラエティーに富んだところだ。中国は自国の目的達成のためには様々な方法を用いるが、そのひとつに東南アジアへの影響力の伸長がある。このため状況の複雑さから、この影響力にうまく対抗するためにはASEAN諸国は統一戦線を組まねばならないのだ。ところがそんなことはできない。だが南シナ海問題についてはASEAN内の姿勢は様々に分かれている。中国により引きつけられていく国もあれば、米国に接近を図る国もあるからだ。」

    中国への対抗する支援を求め、ASEANの中にはかつての敵国、日米に接近を図る国もある。日米の東南アジアにおける役割はこの先ますます拡大していくだろう。

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