軍人はスポーツ選手のように訓練すればいい

© Sputnik / The press service of the Ministry of defense of the Russian Federation軍人はスポーツ選手のように訓練すればいい
軍人はスポーツ選手のように訓練すればいい - Sputnik 日本
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最近のニュースは、アジア太平洋地域の国々を含む様々な国の軍事演習についての知らせで溢れている。韓国は、日本と領有権を争う日本海に位置する竹島(韓国名:独島)の防衛訓練を行った。伝えたところによると、14、15の両日、海軍と沿岸警備隊が、仮想敵の船舶や航空機による領海侵犯や領空侵犯を防止するための共同行動に関する訓練を実施した。北朝鮮は今週、韓国との海上の境界線に近い黄海で射撃演習を実施する方針。南シナ海では12日、日本とフィリピンが初の合同訓練を実施した。訓練には日本の駆逐艦2隻とフィリピン海軍の艦船1隻が参加し、敵の艦船との予期せぬ衝突に関する訓練が行われた。日本とフィリピンの協力は、共同訓練の枠内にとどまらない。フィリピンは今年末までに日本製の巡視船10隻を受け取る予定だ。

現在、ロシア太平洋艦隊の海軍航空隊は、日本海とオホーツク海で対潜演習を実施している。訓練飛行の過程で、太平洋艦隊の艦船だけでなく、東部軍管区の航空隊や部隊、極東の治安機関との共同作戦も訓練している。地中海では5月17-21日まで、ロシアと中国の合同演習の活発な段階である「海上協力―2015」が行われる。さらに8月には日本海で露中軍事演習が実施される。ロシアと中国は合同演習について、他国を対象としたものではなく、いかなる地域の政治情勢にも関連していないとの声明を繰り返し表しているが、外国の専門家たちは、予定されている演習について、西側に向けられたものであるとの確信を示している。ロシアはこのような形で米国に、米国の「努力」にもかかわらず、ロシアが国際的に孤立していないことを示し、中国はこのような形で、米国と日本の軍事協力の強化に反応している。

露中の艦隊、地中海で演習 - Sputnik 日本
露中の艦隊、地中海で演習

スポーツマンにトレーニングが必要なように、軍人にも訓練が必要だ。しかし、世界では軍事演習が増えているような印象を受ける。これは何と関連しているのだろうか?ラジオ「スプートニク」からのこの問いに、軍事専門家で、ロシア科学アカデミー極東研究所の研究員でもあるアナトーリー・クリメンコ氏は、次のように答えている。

「これは予め定められた計画によって行われるルーティーンで、通常の軍事訓練だ。しかしこれを計画する人々は、複数の目的を追求している。一つは、部隊、海軍の隊員、航空機の乗組員などが戦闘に近い状態で行動する訓練を行うことや、演習時に様々な国の兵士や将校たちに共同行動を教えること。二つ目の目的は、必要な場合にこの共同行動をデモンストレーションすること、可能性を示すこと、そして訓練の質だ。これらの目的が混ざり合った者が、様々な国と部隊によるこのような種類の合同演習の基盤となっている。演習の頻度だが、これは世界の軍事・政治的状況が今、非常に多様であることで説明がつく。これは特に中東での出来事、米国と中国の競争、ウクライナに関する米国とロシアの対立などだ。日本と中国の関係や、フィリピンと中国の関係には、領有権争いの要素も含まれている。この場合、日本とフィリピンはこれらの訓練で、中国に共同行動の用意があることを示しているが、これはまず政治の場においてのことだ。ご存知のように、十分な軍事力に支えられている時、あらゆる政治行動が効果的となる。このように、これら全ての要素は、自国の国益を守るために、各国に軍事演習に大きな注意を払うことを余儀なくさせている。」

19世紀のドイツの哲学者で軍事学者のカール·フォン·クラウゼヴィッツは、「戦争とは他の手段を以ってする政治の延長である」と述べた。これは今も軍事作家や歴史学者たちによって頻繁に引用されている。しかし、それに続く「政治的に強い相手は、戦争を必要としない。彼は、自分の目的を達成するための別の手段を知っている。軍事的優位性のゲームで勝負の決着をつけることは、政治的弱さの証拠である」という言葉を忘れている人が大勢いる。軍人は訓練をしてもかまわない。ただ、それは、体型維持のために行えばいい。

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