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    東アジアに必要なのはOSCEでなくベトナムの経験

    © 写真: OSCE/Mikhail Evstafiev
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    安全保障上の脅威に機動的に対応するための地域機構がアジアに作られなければならない。1日、韓国のユン・ビョンセ外相はOSCE(欧州安全保障機構)アジア会議でそう述べた。「OSCEは欧州における信頼強化と安全強化に寄与した。北東アジア諸国もそこから教訓を引き出さなければならない」 と外相。

    ロシアの著名な東洋学者、サンクトペテルブルグ国立大学極東諸国史研究科のウラジーミル・コロトフ教授は、この発言を言下に否定した。

    「OSCEは欧州において、安全保障上のあらゆる課題について失敗した。そのOSCEが、今度は東アジアでも同じ経過をたどろうとしているらしい。ユーゴスラヴィアでもコソヴォでも北アフリカでも今のウクライナでも、OSCEは全く肯定的な役割を演じなかった。東アジアはこの何十年か、目覚しい経済的発展を遂げている。それはひとえに、平和だったからだ。OSCEが自らの経験を東アジアに伝えるとなると、東アジアに大きな戦争が起こされるかも知れない」

    ところで韓国外相は、東アジアには相互信頼が欠如している、とも述べている。コロトフ氏はこの点には同意する。

    「安全保障分野の信頼が全く欠如していること。この点については全く同意見だ。一部の国が核開発を望み、アジアにいま史上空前の軍拡競争が起きているのも、そのためだ。西側諸国は保証はしても実行しない。歴史にその実例がある。サダム・フセインにもムアマル・カダフィにも保証は振り出された。1980年代に欧州を分断した壁が取り払われたとき、ソ連に対し、のちにはロシアに対しても、「NATOを東に拡大しはしない」だとか、「東欧諸国や旧ソ連諸国をNATOに加えはしない」だとかと、保証が振り出された。そうした保証はどこへやら。昨年2月21日、キエフにおいて、フランス・ドイツ・ポーランドの政府代表が、ウクライナのヤヌコーヴィチ大統領に対し、安全保障についての書面の保証を行い、その30分後には、大統領が銃撃された。主権国家の大統領に対し、複数の部隊に狙撃命令が出されたのだ。一体このような慣行を東アジア諸国に伝えてよいものだろうか」

    コロトフ氏は語る。東アジアの信頼と安全の強化のためには、まず地域から外国の軍隊の基地を一掃し、諸国が真の主権を回復することだ。

    「ベトナム3つの「否」を外交原則としている。軍事ブロックには入らない。領土を外国の軍事基地に提供しない。第3国に敵対する目的で外国と同盟を組まない。この3つの「否」がアジア全域で共有され、既にほぼ完成している米国のMD網が撤去されたなら、核を含む軍拡競争のための基盤が取り払われるだろう」

    東アジアの安全を脅かすファクターとして、信頼の欠如とならんで重要なのは、領土紛争である。とりわけ今深刻なのは、中国の南シナ海における領土要求である。中国は人工島を建設し、中国当局の発表によれば、その周辺にMDを構築しているらしい。こうした動きで、地域の緊張はいや増しに高まっている。悲劇を起こさないためには、全ての問題を対話によって解決していくしかない。

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