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    ラーメンでロシアに恩返し!仙台の味をロシアでも

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    今年7月、サンクトペテルブルグに日本のラーメン屋「ヤルメン」がオープンする。このプロジェクトを立ち上げたのは埼玉県在住、言語聴覚士の梅本和正さんだ。リハビリの専門家である梅本さんは病院で勤務する傍ら、大学で教鞭をとっている。そんな彼が、なぜラーメン屋をオープンするに至ったのだろうか。オープンが目前に迫る中、梅本さんにお話を伺った。

    Q、日ロの厳しい政治・経済状況のために、いまロシアでは日本人駐在員が減っています。そんな中で逆に、ヤルメンはサンクトペテルブルグ進出を決定しました。きっかけは何だったのでしょうか。

    A、厳しいときだからこそ、ロシアに進出する意味があるのです。きっかけは、4年前の東日本大震災でした。あの大惨事に、真っ先に手を差し伸べてくれたのは、隣国ロシアの人々でした。私の友人のロシア人は原発事故を受け、ロシアに避難してくるよう誘ってくれました。ロシアはガスや毛布、募金活動などの援助を惜しみませんでした。私たちはロシアのガスで電気をつけ、温かいラーメンを食べることができたのです。私たちは、この時の恩を絶対に忘れません。

    日本人はお金のために働く民族ではありません。人のために働く民族です。ロシアの経済状況が良くない今こそ、何らかの恩返しをしなくてはと思いました。そこで、ロシアの人々に私たちのラーメンで心まで温まってもらえればと思い、レストランを開く決意をしました。私の発案に仙台でラーメン店「麺屋政宗」を経営する丹野浩行社長が賛同してくださり、ロシアの友人2人と、あわせて4人の共同出資で出店することになりました。

    Q、ロシアにはたくさんの日本食レストランがあります。それら既存のレストランと、ヤルメンの違いは?

    A、ロシア人が日本食に愛着を持ってくれていることは嬉しく思います。でも「好きな日本食は?」と聞くと「スシ」だけで「他に知っている日本食は?」と聞くと、すぐに出てこないのが残念です。日本では、ラーメンは国民食と言われるほどの人気があります。これをロシア人に知ってもらいたいのです。私たちは「麺屋政宗」で使っている麺と秘伝のスープを日本から持ちこみ、ロシアで何度も試食会を開き、ロシア人の口にも合うように味を調整してきました。日本からの輸送費はかかりますが、できるだけ低価格で提供します。ラーメンは庶民の味で、高級料理ではありませんからね。オープン後も、丹野社長ご本人やスタッフが定期的にロシアへ来て、味とサービスを常に最高レベルに保ってくれることになっています。新たに採用したのはロシアの日本料理店での勤務経験の長い山本隆史シェフです。山本シェフのロシアへの熱い思いは大変なものです。

    Q、日本とロシアの関係改善について、ヤルメンの果たす役割は大きいですね。

    A、ええ、店名にもあるとおりです。「ヤ」は日本を表します。日本のことはロシア語で「ヤポーニヤ」と言います。「ル」はRussiaのルです。それにラーメンの「麺」をかけました。それと、日本人とロシア人が一緒に「やるぞー!」という意気込みも表しています。日本人とロシア人がひとつの会社を設立・運営してともに働く、これが真の国際交流だと思います。ロシアと日本は隣国のはずなのに、遠い国だと感じている人が多いですね。これはお互いをよく知らないために起こることです。一緒に働き、同じものを食べることで、人と人との距離は一気に縮まるものです。このヤルメンのプロジェクトを通じて、ロシアと日本は近くて親しい国になれるはずです。ロシア人と日本人との共通点は、人好きなこと、そしてお人よしなことですから。

     

    聞き手:徳山あすか

     

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