01:57 2018年06月19日
甘利明内閣府特命担当大臣

コメと自動車の間でゆれる日本

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リュドミラ サーキャン
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日本の甘利経済再生担当相は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に関する日米交渉は合意に達していないと発表した。主な問題点は、日本へ輸入される農産物に対する関税と、米国へ輸出される日本の機械工業品目の価格設定だ。先に甘利氏は、7月にも大筋で合意する可能性があると述べた。ハワイでは、7月28-31日まで、TPP交渉に参加する12カ国の閣僚会議が開かれている。

TPP参加問題は、日本にとって非常に重要だ。大企業は有望な市場へのより自由なアクセスを得ることに期待して、TPP加盟を求めている。しかし農業関係者たちは強い懸念を表している。なぜなら日本の農産物が、より安価な外国の農産物との競争に耐えられない恐れがあるからだ。例えば、日本の食料安全保障にとって「敏感」な品目に、コメ、小麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖の5品目がある。日本にとってコメの問題は特に深刻だ。なぜなら、輸入量の増加が国内価格の低下を引き起こし、採算の取れないものになるという根拠のある懸念があるからだ。

大部分の日本人にとって、コメは食べ物以上のものだ。コメは日本文化の要素であり、人々は、「コメ文化」が輸入によって被害を受けるのではないかと心配している。世論調査によると、大勢の日本人が、タイ産、インド産、ベトナム産、パキスタン産、米国産のコメの購入を検討することさえもしないとの考えを示しているという。しかしこれは感情論にすぎない。

TPP交渉では、コメが大きな焦点となっている。日本は現在、毎年77万トンのコメをミニマムアクセス(最低輸入量)として無税で義務的に輸入している。マスコミ報道によると、無税での輸入枠を新たに設定する方針だという。いずれにせよ、問題はまだ解決されていない。全国農業協同組合連合会・広報部のオオシマ・カズミさんは、ラジオ「スプートニク」のインタビューに応じ、次のように語ってくださった。

「国会決議では、農産物5品目が交渉の中でセンシティビティ(重要 品目)として確認していくということが確認されているので、これはしっかりと守って欲しいと思っています。なぜなら、品質格差があまり生じにくい品目が多く入っているからです。そのため、ここを交渉の中でしっかりととっていただくことで、国内の農業者が安心してこれからも引き続き農業をやっていける環境をつくっていって欲しいと思っています」。

日本のアナリストたちは、日本がTPPに加盟することで、現在7兆1000億円の国内農業の生産額が、およそ3兆円落ち込むとの見通しを表している。特にコメ、豚肉および牛肉の生産量が減少するという。TPP参加によって、日本の農業生産者の利益が打撃を受けるのは明らかだ。問題は、農産物の関税撤廃と引き換えに、外国市場へのより自由なアクセスを得ることに賛成している自動車、電子機器、その他の製品を輸出する別の分野の日本の生産者たちの利益で、この損失を埋め合わせることができるかということだ。なお、米国の大手自動車メーカーは、日本がTPPに参加することを決して喜んではいない。妥協策の模索が行われている。

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TPP, 日本, 米国
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