小手川大助氏: 日本に最重要なのは、将来TPPに中国が入るかどうかという点

© AFP 2023 / Saul LoebTPP
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9月9日、米国は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉を再開した。今回のラウンドでは自動車貿易、なかでも税率がテーマになる。

この問題に対する日本の立場について、小手川大介(こてがわ・だいすけ)元IMF日本代表理事、財務相官房審議官はラジオ「スプートニク」からのインタビューに答えた中で、こうした考えを表した

「米国が今、日本車に対してかけている関税をもっと低くしてください、日本車が米国でもっと安い値段で売れるようにしてくださいということです。」

Q: TPPが成立すれば、安価な米製車に日本市場は開放されますか?

A:「日本国内の車販売市場はすでにオープンになっているので、それは問題になっていません。むしろ米の車販売市場のほうがクローズになっているので、それをオープンにしてくださいということを言っているんです。 自動車の問題は日本から米国に要求する項目のひとつであり、むしろ米国のほうが、米国産の豚肉をもっと日本で売りやすくしたいとか、それからもっと難しい話ですが、米国企業の開発した薬の特許権が有効である期間を従来よりも長くしたいという別の要求があって、それが別の交渉の中で日本側が要求するものと、米国が要求するものと、それからTPPの場合は日米だけでなく関係諸国がもっと多いので、それが全体として貸したり借りたりという関係の中で交渉がなされると私は認識しています。」

Q: TPP成立の場合、米市場での日本車の立場は変わりますか?

A:「米国が今回の日本の要求をのんで、日本車にかけている関税を引き下げれば、米国市場における日本車の値段は下がりますから、米国で日本車を買いたいと思っている人にとっては従来より安価で買えるということになってきますね。」

Q: TPP成立については、米国がアジア市場をコントロール下におくから悪いという声や、逆にルールが作られるから良いと、専門家の間で意見が分かれていますが。

A:「いろんな人の意見があるでしょうし、TPPの中身によっても変わってきます。でも日本にとって一番重要なことはTPPに将来中国が入ってくるかどうかという点だろうと思います。現時点では米国主体で動いており、米国には中国を入れる気はないと思いますが、日本にとっては中国は最大のマーケットですから、中国が入らない形でのTPPというのは、中国が入った場合のTPPに比べると非常に価値が低くなっていますね。」

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