韓国と日本:米国の同盟国か、それとも敵同士か?

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読売新聞によれば、韓国の軍艦が10月18日開幕の自衛隊観艦式に参加する。観艦式は海上自衛隊創設50周年が祝われた2002年以降、3年に1度開催されている。今回は韓国のほかアメリカ、オーストラリア、フランス、インドが参加する。

韓国と日本の間には、日本の軍国主義の過去をめぐる問題や、未解決の領土問題などが横たわっている。しかし米国は、この2つの重要同盟国の海上軍事協力を活性化しようとしている。その試みが幾分功を奏したからこそ、今回韓国の軍艦が日本の観艦式に参加する運びとなったのだろう。また、背景には、朝鮮半島における8月の動乱もある。非武装地帯で韓国兵2人が重傷を負う爆発事故があり、南北朝鮮関係が急激に緊迫化した。

ロシア科学アカデミー経済研究所朝鮮プログラムのゲオルギイ・トロラヤ氏は次のような見解を示している。

「米国という国は、あらゆる紛争を利用して、地域における自らの軍事力を拡大しようとする。今回のケースでは韓国に爆撃機や空母が配備された。朝鮮半島動乱はまた、三カ国防衛協力体制に韓国を引き込む口実および手段としても利用された。しかし、韓国と日本の関係は一筋縄ではいかない。安倍氏が首相になり、ナショナリスティックな政権運営を行うと、関係は一層複雑化した。それが証拠に、パク大統領と安倍首相はここ数年、一度も会談していない。首脳会談が一度も行われていないのだ。日本への勝利を記念する北京の軍事パレードにパク氏が参加するに及んで、日本のメディアはそれこそ狂態を示した。韓国に対する厳しい批判が行われ、米国に対しては、中韓同盟を阻止せよ、との訴えが上がった。それらは誇張に過ぎないのであるが」

韓国と日本の関係悪化は軍事協力にも及んでおり、それが米国の頭痛の種になっていた、とトロラヤ氏。

「北朝鮮関連の秘密情報の交換に関する日韓合意が長らく待望されていたが、結果的には非常に限定的な合意しか成立しなかった。両国とも米国の主要な戦略的同盟国ではあるものの、軍事部門での関係は非常に限定的だ。そんな中で今回、韓国の軍艦が観艦式に参加するというのだから、たしかに注目すべきだ。もしかしたら、お互いに緊張を緩和し、米国と一緒になって有事の際の行動を訓練するべき共通の敵を見出すための、双方向的な試みと言えるかもしれない。ただし、この一件をあまり大袈裟に考えない方がいいだろう。しかしそうはいっても、意義深いことではある。熱を冷まし、互いに歩み寄るべきだとする米国の説得が、幾分効果をあげたということだから」

最後に、今回の一件が米国にとってもつ意義について、ロシア科学アカデミー東洋研究所の軍事専門家、ウラジーミル・エフセーエフ氏の言葉を紹介する。

「朝鮮半島危機で、米国はたしかに、韓国を説得し、日本との限定的協力を促すことが容易になった。両国はただでさえ、地対空ミサイルシステム「イージス」をはじめ、同タイプの兵器を運用している。その上さらに、日本には既に存在している対ミサイルシステム「サッド」が韓国にも供給される計画だ。米国は韓国と日本の軍事協力が大規模化することを強く望んでいる。しかし、それが実現する可能性は低いと私は見ている。協力は今後も限定的なものにとどまるだろう。ただし、状況は米中対立および中韓関係によって強く規定される。韓国と中国の間には既に共通の市場があり、相互投資や経済協力が縮小すればとりわけ韓国側にとって痛手となる。このことが日本と韓国の軍事協力発展を強く制限することになる」

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