23:10 2019年10月21日
靖国神社

靖国の英霊たちが日本を軍国主義の過去へと退行させる

© 写真: Marko Kudjerski
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先日日本政府の高官複数が靖国神社を参拝した。安倍首相は参拝こそ控えたが、供え物を行なった。日本のために戦って死んだ人たちの魂をまつったこの神社をめぐる行動が、韓国や中国から批判を呼んでいる。

口先では隣国との関係改善の必要性を訴えながらそれを台無しにするために色々なことをする日本の政治エリートの奇矯な振る舞いについて、モスクワ国立国際関係大学国際研究所主任研究員アンドレイ・イワノフ氏が語った。

「祖国防衛のためには身命を顧みずというのはあらゆる男子の義務である。日本人の観点からは、日本と天皇のために死んだ者は紛れも無く英雄であり、その記憶は守られねばならない。たとえば、靖国神社の名簿に名が刻まれることによって

しかし日本の外で暮らす人々には日本人の日本の英雄たちに対するこのような尊敬あふれる態度は共有されない。彼らは首相をはじめとする高官が靖国を参拝するたびに憤慨する。小泉元首相がデモンストレーションするがごとくに靖国を訪問したとして中国が日本とのハイレベル交流を停止したこともあった。おそらく日本人からは、アジアの諸隣国がそうした反応を示すことこそ奇妙で、憤慨さえ禁じえないようなことなのかもしれない。しかし、そこにはそれなりの道理というものがあるのである。

第一に、天皇と日本のために死んだ者たち、というものを、改めて見直してみよう。彼らは日本に攻め入ってきた外敵から日本を守るために死んだのか?否。彼らのほぼ全員が、日本から遠く離れたところで戦った。満州であり、中国であり、朝鮮半島であり、東南アジア諸国であり、太平洋の島々であり。そこで彼らは何をした?もしかしたら日本の誰かはこう言うかもしれない、彼らは日本の国益のために戦ったのだと。または、欧米の植民者からアジアの民衆を解放するために戦ったのだと。しかし、そのアジア諸国の民衆の視点からは、日本兵がもたらしたのは自由でなく、新たな支配である、ということになる。日本は白人たちから植民地を戦い取り、解放者としてでなく、占領者として振舞った。せめて南京大虐殺のことを思い出そう。一部の日本の研究者が言うように、たとえ犠牲者の数がプロパガンダ目的により中国側でいささか誇張されていたとしても、それが犯罪であることには変わりはない。

第二に、以前、靖国の戦没者名簿には、東京裁判で太平洋戦争開戦について有責とされた閣僚らの名も記されていた。今はそれが別の場所に移されたということであるが、軍国主義日本に誰より苦しめられた中国および朝鮮人の意識では、靖国は依然として、日本軍国主義のシンボルである。中韓その他東アジア諸国にとって、日本の高官がこの神社を参拝し、または供え物をすることは、日本政府は再び軍国主義を復活させるのではなか、との危惧を呼ぶこととして受け止められる。いま現在そうした動きはなくとも、非常に間近く、そうした動きが出るのではないか、との危惧を。政治家が靖国を参拝することは、彼らが支持を当てにしている極右、民族主義団体へのアピールであることは明白だ。そうした勢力への支持を非常に頼みにしている一部政治家の一人が、どうやら安倍晋三氏であるらしい。しかしそうした支持の見返りは、遅かれ早かれ支払わねばならない。そして、それは中国相手の強硬な発言によってばかりではなく、日本の軍事力増大によっても支払われる。

日本が自分自身を守る権利、またそのために自衛隊の力を強める権利を有していることには疑いが無い。残念なのは、日本の政治家らが、そうした取り組みに、靖国参拝のようなイベントを伴わせることだ。そのことによって日本でナショナリズムが高まり、そのことへの危惧が国外で高まってしまう。日本がこのように振舞えば、中国がますます軍事力を強大化させるという形でそれに答えることは明白だ。それでアジアがより安全になるのか。おそらくは、否。そうなることの責めは誰にあるか?中国か?もしかしたら、日本自身ではないのか?」

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